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    勤務医にとっての銀行とは?これからの正しい付き合い方と不動産投資のススメ

    tokyoh@dmin2017

    銀行と言えば、お金を預けるところ、お金を運用するところ、そしてお金を借りるところと言ったように、私たちのマネーライフに深く関わる存在です。その地位はとても長く続いてきましたし、そのことに疑いの余地もありませんでした。しかし、ここにきてそのような銀行の立ち位置に大きな変化が起きようとしています。

    自営業の人であればお金を借りるために銀行を利用することがあるでしょうし、投資家であれば資産運用の窓口として銀行と取引関係を持っていることもあるでしょう。それに対して勤務医(医師)の人たちにとっての銀行との付き合いとは預金の保管や一般的な金融商品の運用など標準的なもので、あまり銀行の役割や立ち位置の変化に意識を向けていなかった人も多いのではないかと思います。

    しかし、今後はそうも言っていられないかもしれません。「銀行不要論」までささやかれる中、勤務医(医師)の皆さんにとって正しい銀行との付き合い方、そしてこれからの資産運用、資産形成のあり方について考察してみたいと思います。

    ■銀行の縮小が続いている

    以前ほど頻繁なことではないものの、銀行や信用金庫など既存の金融機関の合併や買収のニュースがいく度となく流れ、そのたびに金融の世界に大きな再編の波が押し寄せていることをお感じになったかと思います。

    また、街を歩いていると銀行の支店が減っていることに気づいている人も多いのではないでしょうか。統廃合によって支店だったところがATMだけの拠点になっていたり、それすらなくなっていたり、といった具合です。ご自身が取引をしている支店が統廃合になったということもあるでしょう。

    これは肌感覚だけの話ではなく、データからも見て取れます。1989年には全国に約2万7,000店あった金融機関の有人店舗が、2018年には約2万1,000店に減っています。さらに、合併や経営統合を繰り返すことによって金融機関の数も半分程度になっています。金融機関の数と対比すると店舗数は半分になっていないので比較的まだ残っているのかもしれませんが、今後さらに支店の減少は続くでしょう。

    銀行の縮小を象徴するデータは、特に地方銀行で顕著に見られます。地方銀行の業績が右肩下がりになっており、5期以上連続で赤字の銀行が増加を続けています。大手銀行よりも地方銀行など「地域の金融機関」が大きな転機を迎えていることは、多くの専門家も指摘しているところです。

    この傾向が今後も続くと、私たちの生活で銀行との関わりがさらに少なくなってしまい、「銀行不要論」どころか「銀行消滅論」までささやかれるのではないかと思ってしまうほどです。

    ■銀行が業績を伸ばせない3つの理由

    なぜここまで銀行が縮小し、業績が芳しくないのでしょうか。それには主に3つの理由があるとされています。

    【理由その1】ゼロ金利(マイナス金利)の状態だから

    日本が長らくゼロ金利、さらにはマイナス金利の状態にあることはご存じの人も多いと思います。政策金利が低いということは、銀行からの貸出金利も低くなるため、金利が大きな収入源となっている銀行にとっては収入の減少につながります。

    【理由その2】オーバーバンキングの現象が起きているから

    オーバーバンキングとは「銀行過多」とも呼ばれる状態のことです。日本では再編が進んだとはいえ、まだまだ銀行の数が多すぎるという指摘があります。市場が縮小しているのに銀行の数が多いままだと過当競争になってしまい、収益構造を悪化させます。

    【理由その3】銀行以外の金融システムが発展しているから

    クラウドファンディングやソーシャルレンディングなど、銀行以外で資金を調達する方法が登場し、発達しています。従来であれば銀行の顧客になり得るような人たちが別の方法を選択するようになると、銀行業全体の市場規模が縮小します。

    ■あなたの資産は、どれだけ銀行にありますか?

    銀行というシステムが今すぐになくなってしまうことは考えにくいですが、すでに銀行の役割が従来のものと変わってきていることは認識しておくべきです。多額の資産を運用する富裕層の間では、ポートフォリオを多様化する目的もあって資産運用の軸足を銀行から証券会社や別の方法に一部移すことが当たり前になりつつあります。全資産を銀行に預け、銀行に全部任せて運用する時代はすでに過去のものとなっているわけです。

    勤務医(医師)の皆さんはもちろんのこと、高所得者層はこの事実に気づく必要があります。今や銀行は単に現金の保管場所であり、代金決済のためのシステムであると割り切っている人も珍しくありません。定期預金の金利が限りなくゼロに近いような状況がこれだけ長く続き、しかも銀行から勧められる投資信託になかなかよいものがないという状況では、銀行を資産運用のパートナーと見なしていない人たちが多くなるのも無理はありません。

    しかし、銀行が資金を融通する「金融」機関であるという事実は今も変わりません。銀行で資産運用をする人が少なくなったとしても、事業性の資金を調達するために重要なパートナーであるのは間違いありません。勤務医(医師)の皆さんを含めた所得の高い人は不動産投資を活用した資産形成が有効ですが、その際の融資を受けるには銀行との取引関係が鍵になるため、これまで続けてきた銀行取引が無駄になることはないと思います。

    ■高所得者こそ不動産投資で安定的な収入と資産形成を

    銀行に預けていてもお金がほとんど増えない時代において、所得の高い人ほど資産運用に何を選択するかが重要な意味を持ちます。利回りに1%の差があるだけでも運用資産の規模が大きくなるとその結果も大きく変わってくるからです。それと同時に、資産運用は資産規模が大きいほど選択肢が広くなり、その中には有望なものが多くなります。

    不動産投資も、その中の1つです。不動産に投資できるだけの自己資金を用意できることが前提になりますし、融資の審査においても高所得であることが有利になるため、誰でも参入できるわけではないところが大きなポイントです。近年では参入のハードルが下がったと言われている不動産投資ですが、やはり収入の高い人のほうが有利な状況であることに変わりはなく、成功する確率にも圧倒的な差があります。

    たくさんある不動産投資のメリットのうち、長期的な視点で考えると最も大きなメリットは投資効率の高さです。銀行からの融資を利用して賃貸経営をすれば「他人資本」を活用できるため、運用収益だけでなく資産形成効果もとても高くなります。このように投資効率を高めてくれる銀行融資を受けるためには、審査に通るだけの年収や自己資金が必要になるため、勤務医(医師)の皆さんは有利な立場にあるわけです。

    現在の状況が続く限り、これからも銀行の淘汰や再編は進んでいくことでしょう。現在取引をしている銀行の名称が変わったり、取引をしている支店がなくなったりしてしまう可能性も大いにあります。そんな時代を見すえた銀行との付き合い方として、融資などこれまでにはなかったような銀行との付き合い方を構築していくことがとても重要になります。その意味でも不動産投資は銀行の融資を活用できる最も現実味のある選択肢であると言えます。

    どんな時代であっても、先行きの不透明感はあるものです。医療従事者としてコロナショックの影響を少なからずお感じになった勤務医(医師)の皆さんだからこそ、コロナ禍の次にやってくる世界でもしっかり資産運用環境を守り、将来や老後に備えておくことは先行きの不透明感を払拭し、人生全体の安心感につながるのです。


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