年収1500万円以上を稼ぐ医師は、自分がどの程度税金を払っているのか把握していないという人も多いです。そこで、年収1500万円の場合に支払う税金額と、節税方法を解説します。
年収1500万円の医師が収める税金額はいくら?
交通費手当といった非課税所得によって異なるものの、年収1500万円の医師でも、手取りは1020~1070万円が目安です。ボーナスを含めずに計算すると毎月の手取りは85~89万円であるといえます。また、1500万円の医師が支払う税金は、基礎控除のみの場合で所得税がおよそ210万円、住民税がおよそ111万円です。
節税のために押さえておきたい控除の種類
節税のために押さえておきたい控除は、基本控除のほか、給与所得控除と雇用保険控除が挙げられます。所得税を算出する場合、基礎控除として38万円を控除します。給与所得控除は給料を支払ってもらうための経費です。医師の中でも勤務医は自営業である開業医とは異なり、経費として計上できるものが限られており、一定額が必要経費として所得から控除されるシステムになっています。開業医であっても自分の会社から給料を支払うシステムであるため、給与所得控除が可能です。
社会保険料控除は、公的健康保険や年金、雇用保険を指します。病院の場所や年齢によって違いがあり、東京都で年収1500万円、30代の医師であれば年間およそ148万円ほどです。また、平成30年以降、年収1500万円の場合、配偶者控除や扶養控除はなくなりました。さらに、0~16歳未満を対象とした子ども手当の導入と同時に、扶養控除もなくなります。そのため、配偶者がいても独身であっても、控除に差はありません。
課税所得額を減らすには投資も考慮すべき
年収1500万円もの収入を得ている医師であっても、可能な限り節税をするためには投資も考慮すべきでしょう。節税のために最適な投資方法の1つが不動産投資であり、忙しい医師でも行える節税対策です。投資であるため当然リスクはあるものの、資産形成も行える点がメリットだといえます。
不動産投資で所得を得た場合、家賃収入から登記費用、ローン、火災保険料、不動産取得税、固定資産税、建物の修繕にかかった費用といった内容を控除することが可能です。ローンの中で元本返済分は必要経費にならないものの、利息部分については経費として扱われます。ただし、不動産所得が赤字になっている場合、土地の購入費用の利息部分で必要経費として扱われるのは一部だけです。
また、家賃収入から控除可能なものの中で注目したいのは減価償却費であり、減価償却費は不動産そのものの購入費用が対象となります。法定耐用年数ごとに国税庁が明示している償却率に沿って、1年ごとに計上します。国税庁が示す法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造りの建物で47年、木造の建物で22年であり、新築の不動産を購入するのであれば47年の減価償却費を計上することが可能です。
最も重要なポイントが課税所得を減らせるという点です。不動産投資目的で物件を購入した場合は経費計上が可能であるため年収から経費を引いた額が課税対象になります。経費が増えると課税対象は減るので、節税につながります。不動産投資を行うにあたり、「節税効果が期待できるといえども、数千万円もの不動産を購入するのでは意味がない」と不安を覚える人も多いです。しかし、長期的な節税額を考慮すると、利回りが低い不動産であっても得であるといえます。
そうはいっても、ほとんどのローンは元利金等返済であり、不動産を購入したばかりの頃はローンの支払い金額に対して利息の比率が多くなるので、当初は不動産所得が赤字になりやすい点を認識しておきましょう。
年収1500万円で満足?収入が上がるほど節税効果は高い
不動産投資を行うことによって、所得税の節約につながります。勤務医として働く医師の場合は給料が病院から支払われますが、受け取る段階で消費税を含めたさまざまな税金が引かれた状態です。不動産投資をすると、不動産の家賃収入と病院からの給料、2つの収入がある状態になり、合計金額が課税対象になります。不動産の家賃収入と医師としての給料を合わせて計算する方法を損益通算と呼び、損益通算により所得税の支払い額が低くなるので節税効果が期待できるのです。
不動産を購入すると、「課税所得+(家賃収入-必要経費)×税率=所得税/住民税」となり、給料から源泉徴収される税金を払いすぎた状態となるため減額されます。税率が下がり、当然納税額も下がるため、年収が上がれば上がるほど節税額は高くなるのです。
まとめ
年収1500万円の医師は、自分がいくら税金を支払っているのか把握していないケースもあり、節税対策を行っていない人も多いです。自分の手取りがいくらなのか、いくらの税金を支払っているのかを再度確認し、節税対策を行う必要があります。様々ある投資方法の中でも、不動産投資は節税効果が期待できるだけではなく、資産形成も行えることがメリットです。投資に関するリスクも確認してから、資産を残すための節税対策を検討しましょう。
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