医師といえば「高年収」というイメージがあります。もちろんサラリーマンの平均年収よりは稼いでいる医師が多数派を占めますが、一方で同じ職業とは思えないほどの年収の医師もいます。ここでは二極化する医師の実態を紹介します。
年収600万円の医師も珍しくはない
医師と聞くと、多くの人が「高年収」というイメージを抱くのではないでしょうか。
たしかに、その想像は間違っていません。
平成27年に厚生労働省が発表した「第20回医療経済実態調査」によると、医師の平均年収は、国立病院で約1425万円、公立病院で約1494万円、公的機関で約1387万円、社会保険関係法人で約1324万円です。
一般的なサラリーマンの平均年収は、「民間給与の実態調査結果」(平成27年・国税局)によると、男性で511万円、女性で272万円ですから、やはり相当差があることになります。
しかし、医師のなかにもサラリーマンと同じくらいの年収の人は珍しくありません。
特に大学病院で勤務医として働く医師の場合、医学の研究で多額の運営費がかかるため、平均的な医師よりも年収が低くなる傾向があります。実際、身を粉にして働き続けているのにもかかわらず、年収600万円台という方もいらっしゃいます。特に超有名大学の医学部ではブランド力があるため、さらに薄給になることも珍しくないようです。
医療ニーズが増える一方、医師の給料は増えていない
高齢化が進む日本において、医療ニーズは増える一方です。
2025年には、団塊の世代と呼ばれる1947〜1949年生まれの人たちが全員、「後期高齢者」(75歳以上)になります。これは、後期高齢者が全人口の18%を占めることを意味しています。
すでに、医療・介護の保険料は増大しています。厚生労働省の発表(平成25年『国民医療費の概況』)によると、2025年には医療費が2013年の1・5倍の54兆円、介護給付費は2・4倍の19兆8000億円に達する見込みです。
とはいえ、これだけの医療・介護費を日本政府が賄えるかというと、現実的ではありません。一説によると、現在の借金を抱えながら増え続ける医療・介護費などの社会報償費をすべて消費税で賄おうとすると、税率は20%以上に引き上げなければならないそうです。
そうなった場合、医療業界の経営合理化という建前で、医師の人件費が削減されることは間違いありません。ですから、医師にとっては「患者数が増えるが給料は増えない」という悲惨な未来が待っているともいえるのです。
給料に期待できない分、定期的な収入になる投資を行う
上述のとおり、たとえ医師であっても、今後も安定的に高収入が得られるとは限りません。
ただ、すでに勘の鋭い医師は、その不安を払拭するため、さまざまな投資に関心を持っています。
なかでも注目集めているのが、「不動産投資」です。
仕事が多忙すぎるので投資にかけられる時間がない、多額の税金をなんとかしたい、できるだけリスクを避けたい……こうしたニーズに応えられる投資は「不動産投資」だけだからです。
なぜ医師に不動産投資が向いているのか、物件を選ぶときはどうすればいいのかなどお話は「なぜ、不動産投資を行う医師が多いのか?」の記事で詳しく解説しています。「投資って、なんだか怪しい」と思っている方も、まずはぜひご一読いただければと思います。