「なるべく高く売りたいけど、いくらで売れるのだろう……」
不動産業者に「築浅のお買い得な物件だから」と勧められたけれど、売却時の価格の下落が気になってなかなか契約に踏み切れない……という人も多いのではないでしょうか。
そんな不動産投資にまつわる不安を、ひとつずつ解消していきましょう。
今回は「売却価格の下落」にスポットをあてます。
売却価格はどれだけ下がる?
それでは、売却価格がどのように下がっていくのか、そのイメージからみていきましょう。
マンションで最も価格が高いのは新築の売り出し時です。
そこから築年数の経過とともに、価値が下がっていきます。
この下落率は一定ではありません。また、市場の動向にも左右されます。
一番下落幅が大きいタイミングは「新築プレミアム」の消失時です。
新築マンションを販売する際、デベロッパー側にかかる費用(営業マンの人件費、
モデルルーム設営費、CM・パンフレットなどの広告費)と利益分が販売価格に含まれています。一般的にはもとの価格の2割と言われており、この上乗せ分が新築プレミアムです。
物件が購入され、人が住んだ瞬間にこの新築プレミアムは消失するため、価格が2割ほど下落します。
その後の下落の目安として、築20年を目安におよそ4割下落し、築20年を過ぎてからは緩やかに価格が下落していくのが一般的なようです。
ワンルームマンションの売り時はいつ?
次に、ワンルームマンションの売り時の築年数についてみていきましょう。
ここで意識しておくのが、「買う側の視点に立ってみる」ことです。買いたいと思っている人が多いほど、売るチャンスも多くなってきます。
①築10年以内
まずひとつのタイミングとして、築10年以内があげられます。購入希望者は、新築プレミアムが消滅し価格の下落がゆるやかにシフトするこの時期を狙っています。購入希望者がインターネットで物件を検索する際、その6割近くが「築10年以内」で検索をしているようです。
②築15年以内
次にやってくるタイミングとして、築15年以内が想定されます。理由として、「1度目の大規模修繕」が関係しています。修繕金積立の計画が甘く、修繕積立金が不足している場合一時金を負担しなければならないため、購入希望者はこれを敬遠するようです。
良い条件で売るためには
売り時を抑えた上で、最後に良い条件で売るためのポイントを紹介します。
①大掛かりなリフォームをしない
購入希望者の中には、自分の好きなようにリフォームをしたいと思っている人が少なからず存在しています。リフォームの需要増加にあわせ、技術の向上や業者の選択肢も広がってきているため、売主みずからリフォームをしてしまうと購入希望者の間口を狭めてしまうことになりかねません。
②家賃を高く保つ
投資物件の価格にはその物件の収益性が関係してくるため、好条件での売却のためには収入となる家賃を高くキープしておくことが必要です。家賃下落の原因となる入居者の退去を防ぐため、日々のテナントリテンションを心がけましょう。
・過去記事「家賃の下落と空室リスクに効く! テナントリテンションの基本テクニック」
(https://ft-academy.jp/2018/03/26/vacant_risk/)
③販売に強い不動産業者に依頼をする
物件売却時、数社に査定を相談し、販売力が強い不動産業者に依頼をすることで、好条件での売却が可能となるでしょう。この際、査定額の高さだけで選ぶのではなく、金額の妥当性や販売戦略まで提案してくれる、信頼の置ける業者を探すことがポイントです。売却時の契約方法についても知識をつけておくことでさらに有利な売却を実現できるでしょう。
・過去記事「【ワンルーム 投資の視点で見る用語解説】媒介契約編」
(https://ft-academy.jp/2018/04/06/glossary_contract/)
これらのポイントを押さえた上で、物件を売却したい時期の2年前から準備をはじめると、スムーズな売却に繋がるでしょう。
売却価格下落の不安について、事前に下落の幅を想定しておくとともに、売却のタイミングとテクニックを知っておくことで、解消することができるのではないでしょうか。
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