「ニュースで取り上げられていた税制改革、自分の税金はどう変わるのだろう」
ニュースなどで少し前から報じられている「年収850万円超で増税」というフレーズ。
自分へどう影響してくるのか、気になっているひとも多いのではないでしょうか。
本記事では税制改革のポイントと、給与所得控除のシミュレーションについてみていきます。
税制改革のポイント
まずは今回のテーマである「2018年度の与党税制改正」について、6つのポイントを紹介します。
- 給与所得控除を一律に10万円減額する
- 基礎控除を一律10万円引き上げる(38万円→48万円)
- 控除の上限を年収850万円の195万円へ(現在は年収1,000万円の控除220万円)
- 同一生計内に「22歳以下の子供」や「介護を必要とする人」がいる人は増税の対象から外す
- 基礎控除を所得2,400万円超の高所得者から縮小する
- 2020年1月から実施する
給与所得控除が①年収に関わらず一律に10万円引き下げられ、
その代わりとして②会社員・自営業全員が受けられる基礎控除を同時に一律10万円引き上げます。
これだけであれば会社員にとっての税負担は変わらないのですが、
③給与所得控除の上限が220万円→195万円と縮小するため、年収850万を超える人は実質的に所得税が増税となります。
給与所得控除とは、会社員が所得税・住民税を計算する際、ある程度必要な経費があるとみなし、給与収入から差し引くことです。
現在給与所得控除の計算は、以下の表によってもとめられます。
給与 | 給与所得控除額 |
---|---|
180万円以下 | 収入金額 × 40% 65万円に満たない場合には65万円 |
360万円以下 | 収入金額 × 30% + 18万円 |
660万円以下 | 収入金額 × 20% + 54万円 |
1,000万円以下 | 収入金額 × 10% + 120万円 |
1,000万円超え | 220万円(上限) |
給与をもらっているすべての人は給与所得控除の対象となっており、収入が180万円以下の場合は全ての人に対し65万円分の控除が受けられます。
この給与所得控除に加え、基礎控除の38万円(一律)を足した103万円が無課税となります。
給与所得控除のシミュレーション
それでは年収が1,000万円の人をモデルケースとし、給与所得控除の計算をしてみましょう。
給与所得控除額 = 1,000万円 × 10% + 120万円 = 220万円
今までは上限の220万円が給与所得控除額となっていました。
税制改正によりこの上限額が195万となるため、基礎控除が10万円引き上げになる分を差し引いても税額は増額となります。
下の表は財務省の試算によるものです。
年間収入額 | 年間増税額 |
---|---|
850万円 | 0 |
900万円 | 1.5万円 |
950万円 | 3万円 |
1,000万円 | 4.5万円 |
1,500万円 | 6.5万円 |
2,000万円 | 6.5万円 |
3,000万円 | 31万円 |
目安として、年収が1,000万円の人は4.5万円の増額となるようです。
また、年収が3,000万円を超えると基礎控除が廃止されるため、増税額が一気に跳ね上がるという点にも注目しておきましょう。
今後も給与所得控除額は縮小していく?
給与所得控除はここ数年、縮小しています。
平成24年度の税制改正にて、それまでは年収がどれだけあってもその5%分が給与所得控除となっていましたが、そこに上限が設けられました。(245万円)
その後、段階的に上限額が縮小されていき、現在の220万円となっています。
今後もこの縮小は継続される可能性があり、その場合、高所得者はじわりじわりと影響をうけることになるでしょう。
こうした時代の変化へ対応するため、今からできる対策として不動産投資は有効な手段のひとつです。
世の中の情報に日頃からアンテナをはりつつ、不動産投資に対してもしっかりと知識をつけたうえで、未来の資産を築いていきましょう!
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