「不動産投資で安定した利益を出したいけど、購入後のリスクが気になる……」
不動産投資について調べていると、様々なリスクが見えてきます。
なるべく時間はかけず、安定して利益を出したいけれど……と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2つのリスクに効く「テナントリテンション」について紹介していきます。
物件購入後、入居者が退去してしまったら……
「入居者の退去」には、「家賃の下落リスク」「空室リスク」という、不動産投資における2大リスクが含まれています。
①家賃の下落リスク
入居者が入れ替わる際、建物の経年劣化や需要の低下により、元々の賃料相場よりも低い家賃で募集をかけるケースが多いです。
家賃が下がると、当初予定していたキャッシュフローを見直す必要が出てきます。
②空室リスク
空室期間は家賃収入が発生しないため、キャッシュフローがマイナスとなります。
入居者退去時の原状回復費用も発生することに加え、人が住んでいないことにより建物の劣化が早まります。
劣化については、水回りを長期間使用しないことによって配管に水が溜まって腐食したり、定期的な換気がされずにカビが発生したり、知らぬ間に害虫が発生したりといったことが考えられます。
また、空室を埋めるための募集費用も発生するため、入居者が退去することによるダメージはとても大きいのです。
その対策として注目されているのが「テナントリテンション」です。
テナントリテンションとは?
テナント=Tenant=借主(入居者)
リテンション=Retention=保持
入居者の退去を防ぎ、長く住んでもらうための施策です。
例えば、私たちが日常で利用している様々なお店やサービス事業者は、ポイントカードの発行や顧客へアンケートを行うことでファンをつくり、長く利用してもらう努力をしています。
日本の賃貸経営には、これまでこのような工夫があまり見られませんでした。
しかし、今後は住宅の供給過多により賃貸経営の競争激化が予想されるため、入居者に長く利用してもらうための取り組みが重要になってくるでしょう。
テナントリテンションの具体的な方法
それでは、どんなことをしたら効果があるのか、具体的に紹介していきます。
①アンケートの実施
質問項目としては、退去の予定と、日常的な要望の2つを抑えると良いでしょう。
退去の予定がわかれば事前に準備ができることに加え、その理由が対処可能なものであれば退去自体を防ぐことができるかもしれません。
実施時期は入れ替わりの多い3月から逆算し、入居者が引っ越しを考える年末年始に行うと効果的です。
②緊急時の迅速な対応
トラブル発生時、いかに素早く対応できるかで入居者の満足度は大きく変わってくるでしょう。
一次対応の速さに加え、その後の対応の丁寧さも重要であるのはもちろん、再発防止に備えることも有効です。
③更新料割引の提案
日本では更新料の制度が一般的ですが、貸す側が必ず徴収しなければいけないという義務はありません。
退去により家賃が下がることと、入居者が今の家賃を維持しつつ継続して住んでくれることを比べた上で、更新料について見直してみるのもよいかもしれません。
④住宅設備の見直し
アンケートにより収集した入居者の声に対し、モニターつきのインターホンや、浴室乾燥機などを設置することで、希望を叶えてあげると良いでしょう。
入居者が退去してしまう場合でも、こういった設備はオーナーの資産として残るのがポイントです。
⑤ハウスクリーニングの実施
日常的なメンテナンスに加え、入居者の希望に合わせてハウスクリーニングを実施してあげるのも効果的と言えます。
エアコンや換気扇の清掃など、入居者自身で掃除しにくい場所が喜ばれると思われます。
入居者の満足度を高めつつ、清掃箇所のメンテナンスも兼ねた方法です。
ハウスクリーニング業者の繁忙期である3月と12月をさけ、複数の部屋をまとめて依頼することでコストも抑えられるでしょう。
⑥入居者へのプレゼント
高価なものでなくとも、年末年始や更新時の挨拶に合わせてお菓子や日用品などを入居者に贈ると喜ばれるかもしれません。
投資用にワンルームマンションを選ぶのであれば、そこに住む入居者が欲しがりそうなものをリサーチした上でプレゼントを選ぶと、満足度も高まります。
事業としての不動産投資へ
不動産投資を単なる節税対策の手段のみとしておこなうと、そのテクニックばかりに目が行き、大事な要素である利益の部分を見落としてしまいがちです。
不動産投資をひとつの事業ととらえ、お客様となる「入居者」の満足度を高く・長く保つことで、安定した利益を積み重ねていきましょう!
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