「不動産投資をするなら、地方より東京」といった指南が増えています。
首都圏在住者にとって、都心への住宅投資は魅力的ですが、地方在住者からみると「東京で不動産投資をするメリットはあるのか?」と疑問視する声も挙がっています。
ここでは、東京で不動産投資をするメリットについて紐といてまいります。
東京以外の都市と比較すると、東京での不動産投資の有利な点は?
東京と地方を比較すると、人口に関することが一番初めに挙げられることです。
地方でも主要都市であればある程度の人口流入は見込まれますが、東京と比較すれば地方の人口増は微々たるもので、少子高齢化の影響により、全体的にはわずかに減少している傾向がみられます。
人口の変動は空室問題にも発展します。
都心では20代~30代の単身世帯に的を絞ったワンルームマンションに投資すれば、いつでも満室状態を目指すことが可能です。
また東京のマンションは、交通インフラの充実や商業エリアへのアクセスの良さ、地名の認知度の高さなどが揃えば、土地を手放した時に売却益が得られる可能性が高くなります。
近隣に新しい商業ビルやランドマークができた・新駅ができたなどの情報は、売却益を狙うターニングポイントとして必ずチェックする必要があります。
売却した際に得られる資金を元手に、同エリアの新築物件に投資するなど、不動産事業の広がりを作ることも可能です。
東京での不動産投資、デメリットを挙げるとしたら?
メリットが先行すると思われる東京での不動産投資。デメリットを挙げるとしたらどういったところでしょうか、それぞれご紹介いたします。
①地震等の自然災害に弱い
「首都直下型地震」に対する警鐘が鳴らされてから数年の月日が経過しました。
年月が経過するごとにそのリスクがどんどん高まり、都民の防災意識が高まっています。
地盤が弱く液状化現象を引き起こす可能性がある地域、耐震構造が強化されていない物件を運用中という場合は資産と収入をすべて失う可能性があります。
保険等の加入で補償を受けることも可能ですが、全額の補償は難しいと捉えましょう。
②回転率が高く経費がかかる
特に、ワンルームの賃貸マンションなどは、居住者の入居・退去の回転が速い傾向にあります。
人気のエリアに物件があれば新しい入居者も決まりやすい傾向にありますが、入居者から敷金をもらっていたとしても、退去時に行うクリーニング費用や補修費用の手だしは少なからず発生します。これが続けば、資産の目減り等につながります。
③値崩れが起こる可能性も否めない
先に触れましたが、東京は首都直下型地震のリスクと背中合わせです。
研究の結果、地震や大雨・台風等による被害が大きくなるであろうと指摘されたエリアや、実際に地盤沈下などが発生したエリアは地価の値崩れが起こる可能性もはらんでいます。
それだけで建物の資産評価も大きく下落してしまうことも予想されます。
それでも東京で不動産投資を行うメリットとは?
先述のようなデメリット・リスクもある中で、それでもなお東京で不動産投資を行うメリットあります。
それでは、ひとつずつみていきましょう。
①インフレ対策にも強い
政局問題の混乱でデフレ先行の日本ですが、外国為替の変動や政治の方向転換などがきっかけで、突然インフレがはじまる可能性もありえます。
インフレになると、貨幣価値が下がるといったデメリットがありますが、物価の上昇とともに土地や不動産の価値も値上がりします。
インフレ不況にも強いと捉えることができます。
②空き室が少なく、家賃収入が安定する
地域を選べば、空き室期間ほぼ無しの安定した家賃収入が見込めます。
特にワンルーム~2部屋までの単身世帯向けのマンションであれば、回転が速いデメリットはあれどもすぐに新入居者が見つかるメリットが先行します。
③定年後の定期収入が見込める
物件を手放さず、定期的にメンテナンスを行うことで、建物の価値を維持することができます。
また地域によっては地価が高騰し人気エリアとして将来的に急伸する可能性も秘めています。
定年後の定期収入が見込めますし、ローンを完済し家賃収入が100%手取りとなれば早期退職(セミリタイヤ)などを考える方も出てきます。
以上、東京で住宅投資をすることのメリットとデメリットについてまとめました。
地方での住宅投資と相違点があることもおわかりいただけたことでしょう。
多方面から情報を収集し、どういったエリアに住宅投資をするべきなのかを見極めていきましょう。