某県にある大学病院の消化器外科を担当する夜王先生のインタビュー第2弾。
30代前半独身で、仕事と遊びを充実させる夜王先生のプライベート、またコロナをきっかけに始めた不動産投資について、医師のお金まわりの「リアル」を訊いてみた。
外科の先生は派手好き? 実際のところ…
――今回は医師の業務外の部分で、読者が気になっているディープなお話をお聞かせください。一般的に外科の先生は派手好きで遊びも激しいイメージですが、実際のところはどうなのでしょうか?</span >
よく聞かれることですね(笑)。私の肌感覚でいうと、40~50代の先生方はその傾向が強いかもしれません。整形外科や心臓外科など外科系の先生は、体育会系で体力のある方が多いんです。だから手術後の夜11時から朝まで飲んでどんちゃん騒ぎをするようなこともありますね。
私もそうですが、そのような先生方は「仕事は仕事」「遊びは遊び」とメリハリがあるタイプが多いので、飲むときは豪快に飲むんです。その結果、派手好きなイメージが定着したのだと思います。確かに、女性が接客する夜の飲食店でお金を落とす先生はたくさんいますね(笑)。
――世間のイメージはあながち間違っていないのですね(笑)</span >
とはいえ、コロナを契機に飲みに行く機会は減りましたね。医師は職場のホームページに名前が出ているので、こっそり飲みに行ってもバレるケースがあるんです。そうするとSNSに「◯◯大学の◯◯先生が騒いでいる」と投稿されてしまうことがあるので、プライバシーがあまりない職業かもしれません。
また、今は早い時期に結婚する先生や、そもそもお酒をあまり好まない先生が増えました。今のご時世、部下を無理に飲みに誘うとハラスメントになってSNSで叩かれることがありますよね。だから、病院の上層部からコンプライアンス的なことで釘を刺されます。
――時代を反映していますね。夜王先生も夜のお店が好きなようですが、仕事と遊びがハードだと生活に支障がでないのでしょうか?</span >
遊びで飲み過ぎて翌日の仕事ができないのは医師として最悪なので、それだけは絶対にしないと決めています。二日酔いでどんなに辛くても仕事は休まず、何事もなかったかのように平静を装っていますね(笑)。
外科医の先生はモテる? 実際のところ…
――さすがです(笑)。また、一般的に「医師はモテる」というイメージが定着していますが、実際のところはどうでしょうか?
う~ん、人によりけりだと思いますが、世間のイメージほどはモテないと思います。実際に私はそんなにモテないですし、夜のお店では「そんなに忙しくて家に帰れるのか」と心配されるだけだったり(笑)。結婚しても多忙が原因で離婚したり、結婚が取り止めになったりなんてことはよくある話です。
――お医者さんは最初の受けが良くても、いざ結婚するとうまくいかなくなるケースですね。
我々の年収は平均よりかなり高いと思うのですが、その分実働時間が長いわけです。そうすると奥さんが年収の高いキャリアウーマンの場合、「コスパの悪い仕事をなんでやっているの?」と尋問されたりするみたいです(笑)。そして、離婚or転職の選択を余儀なくされるとか……。
――現代は共働きで、お互い家事を協力しながらライフワークバランスを重視する時代ですからね。</span >
そうですね。これは「外科あるある」なのですが、現場でバリバリと仕事をして稼いでいるのに、家庭では威厳がなくて奥さんの尻に敷かれている先生が意外と多いんですよ。奥さんに怒られるから早めに帰るとか、奥さんからラーメンのクーポン券を渡されて「これで夕食を食べてこい」と指示されるなんて話も聞きますね(笑)。お小遣い制の先生も多いですし、世間イメージのハイソな生活をしている医師は私の周りにいないです。
アルバイトの収入増で追加徴税に…
――それは切ないです……。さて、夜王先生は不動産投資をされていますが、始めたきっかけは何だったのでしょうか?</span >
数年前、病院の年収は2000万円ほどだったのですが、アルバイトでやっていたファストドクターの報酬がコロナの影響でどんどん跳ね上がったんです。最終的に時給が1万円を超え、年収と合わせるととんでもない金額になりました。それでかなりの追徴課税を払うことになり、これはもったいないと感じていました。
たまたま知り合いに税理士や不動産販売の方がいたので、不動産投資による節税のアドバイスを受けたんです。すると、300万円ほどの追徴課税を払わなくて済むうえに、不動産の資本を得られることがわかったんです。
――節税を目的とした不動産投資ですね。</span >
はい。私は遊ぶときは派手に遊んでお金を使うタイプだったので、投資も大きく、何かしらの事業主になりたいという希望がありました。例えば、唐揚げ店などの飲食店でもよかったのですが、不動産投資が一番手っ取り早く事業主になれると結論付けました。
いざ不動産投資をやってみると、それまでは何となくしかわかっていなかった税金の仕組みや対策を理解できるようになりました。それからは、領収書の使い道や控除金の枠などお金の流れと回し方を意識するようになって、「今度はこうしよう」と学びながらお金を使うようになりましたね。
若いときから資産運用について考えるべき
――夜王先生とは逆に、お金に苦労している医師の話をよく耳にしますが……。</span >
私のように、不動産投資や節税に積極的なタイプがいる一方で、貯金がほとんどなかったり、借金をしている先生がいるのも事実です。医師の年収は一般的なサラリーマンより高いですが、昇級することは少ない。それにも関わらず周りからちやほやされやすい職業なので、「自分はお金持ちなんだ」と勘違いして散財してしまうケースがありますね。羽振りの良さそうな先生が、実は子どもの学費の引き落としを1カ月待ってもらった、なんて話もあります。
――医師のお金に対する感覚はいろいろですね。</span >
医師は年収が高い分、引かれる金額も大きいです。節税対策をしないで散財すると将来とんでもない目に遭うリスクを伴います。医師は社会的信用が高く低金利で融資を受けやすいので、若いときから資産運用について考えるべきですね。
世間には不動産投資をしたくても融資を受けられない方がいっぱいいます。一方で私たちは医師というレバレッジをきかせることができるので、節税しながら資産を積み上げることができる不動産投資は有効だと思います。
――研修医に対して不動産投資のアドバイスはありますか?</span >
悪徳不動産会社が事情をよく知らない研修医をターゲットにするケースがあるので注意してほしいです。怪しい電話は医師につながる前に切られるので、ひと昔前と比べると不動産勧誘の電話は少なくなりました。それでも、ほかの病院の先生の名前を勝手に使って電話をつなげようとする古典的な勧誘はいまだにあります。また、我々の個人情報を誰かがリークして、勧誘電話が携帯に直接かかってくることもありますね。
【取材協力】
夜王先生
大学病院消化器外科医。向上心が高く仕事熱心で、投資の勉強にも遊びにも全力投球。