お笑いコンビ「チュートリアル」・徳井義実氏の設立した会社が、3年にわたって税務申告をしておらず、東京国税局より1億円を超える申告漏れを指摘されました。さらに、洋服代など私的な支出を経費として計上していたことも判明し、芸能界・世論問わず厳しい声が上がっています。この報道を、実は「他人事ではない…」と感じている医師の方もいるのではないでしょうか? 通常の勤務のみならず、勉強のため、そして将来のキャリアアップのため、アルバイトをかけもちする勤務医の方々。激務のなかでも、確定申告をはじめとした「税務」だけは怠ってはなりません。勤務医として働く医師の実例を見て、今後の資産形成の参考にしていきましょう。
ケース1:家族のためを思って働いているのに…
1つの勤務先ではなく、2ヵ所以上の病院で働いている勤務医は多くいます。収入を増やすことを目的に、アルバイトや非常勤として就業している場合もあれば、「勤務先の指示で」というやむを得ない事情もあるようです。こういったケースで問題となるのが「確定申告」です。
複数の勤務先があり、主たる給与以外の所得の合計額が20万円以上となる場合、確定申告をしなければいけません。また、勤務先が1つであっても、年間の給与所得額が2,000万円を超えていれば、同様に確定申告が必要です。つまり、医師という職業においては、開業医だけでなく、たいていの勤務医も確定申告をする必要があるということです。
高給取りではあるものの、多忙を極める勤務医の生活。税理士に丸投げしていたとしても、確定申告が悩みの種という人は少なくないでしょう。
しかも、大変な思いをして終わらせたところで待っているのは、「税金ってこんなに取られるのか…」という現実です。
◆稲庭芳樹さん(仮名・埼玉県/勤務医/43歳/男性/年収2,500万円)の話
家族に良い暮らしをしてもらいたく、3ヵ所でアルバイトをしています。疲れた体に鞭打ち、なんとか自分で青色申告をしていますが、給与所得控除、配偶者控除、生命保険控除、社会保険控除…と各種控除を差し引いても、やっぱり高年収・高税金。稼げば稼ぐほど、税金を取られます。
「いっぱい働いて、多くの患者さんを助けて、いっぱい税金を払って、俺って素晴らしい!」と思うくらいしか慰みはありません。
奥さんに「俺って、いっぱい働いて患者さんのことを救って、税金もたくさん払って、偉いよね?」などと言おうものなら、「節税くらいしなさいよ! お願いだから、家族のために手取りを増やして! 開業しないからいけないんじゃないの!?」と怒られることは確実です。
節約のため、税理士にも頼まず自分で確定申告を終わらせても、大変な作業が終わった喜びを誰とも分かちあうことはできません。
せめて、確定申告が終わった際、「見て! こんなに戻ってくる(還付される)!」と夫婦ともども喜び合いたいのですが…。
家族に良い暮らしを…と頑張っている稲庭さんですが、多額の税金で生活が苦しく、夫婦関係もうまくいっていない様子です。
稲庭さんのようなケースの場合、せっかくの高年収・高属性ですから、思い切ってマイホームを購入し、「住宅ローン控除」を受けるという選択肢もあります。
住宅ローン控除は、給与所得控除や配偶者控除、生命保険控除などの所得控除とは異なり、所得税額自体から減額される「所得税額控除」となるため、高い節税効果が期待できます。
マイホームの購入でローンを背負うことになりますが、「家族のため」という名目であり、資産として「不動産」を残しながら節税もできるので、決して悪い選択ではないはず。きっと夫婦関係も改善されるでしょう。
気にせず無申告でいたら、多額の追徴課税が…
確定申告が必要でも、忙しさにかまけて、無申告のままでいてしまう勤務医も少なくありません。なんのペナルティもないことに安心し、1年、2年、3年…と無申告状態を続けていると、手痛いしっぺ返しが?
◆下柳勘太さん(仮名・東京都/勤務医/35歳/男性/年収1,900万円)の話
医師になりたてのころは、ちゃんと確定申告をしていました。微々たるものですが還付がある状態だったので、「払いすぎならば問題なかろう」と考え、時間も取られるし、翌年あたりから何もしないでいたのです。はっきりいって、普段の生活がめちゃくちゃ忙しいし、そこそこの給与ももらっているから、ちょこっとの還付のために確定申告するのが無駄にしか感じなかったんですよね。
ところがある日、税務署から突然の電話が…。追徴課税として、延滞税と無申告加算税が取られました。給与が増えたこともあったけど、どおりで預金が凄い勢いで溜まっていくなぁと思ってたんですよね。取られた分はしっかり取り返したいので、中古のタワマンでも購入して、大きく節税しようと考えています。
確定申告をせずに何年もほったらかしにした結果、税務調査で多額の追徴課税を取られてしまったという下柳さん。「損した分を取り返したい!」という気持ちは、とてもよくわかりますよね。
下柳さんは、「不動産投資で中古のタワマン購入」という手法、いわゆる「タワマン節税」を思い描いているのかもしれません。しかしタワマン節税は、相続税上の評価額と実際の価格の差を利用した、どちらかといえば「相続税の節税」のための手法です。
ざっくりいうと、タワマンの場合、土地割合に対して居住者が多いため、固定資産税評価額を低くしやすくなります。また、市場価格では高層階のほうが高額であるのに対し、相続税評価額は低層階とほぼ変わらないため(平成29年度税制改正前は同じであった!)、その差を税メリットとします。
もちろん、不動産投資を行うことで、減価償却費や固定資産税、借入金利、修繕費、管理費…などを経費にできるので、他の投資と比べると節税効果はあります。ただし、収支の問題で、家賃収入が経費を上回るようになると、その分の税金は増えます。
とはいえ、高属性である医師が購入するタワマンとなると、家賃収入で手取りを増やすという効果はかなり期待できます。
昨今、何かとケチのつきやすい「タワマン」ですが、やはり高級で便利なものであり、特に新宿などの「乱立はできない地域」の中古タワマン需要はかなり高いです。
医師のように、購入してオーナーになれる属性は少ないため、下柳さんが人気の地域を買ったら、思わぬ投資効果に驚くかもしれません。
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