関東の大学病院で整形外科医として勤務するスカイ先生。これまで歩んできた道筋と、医師として6年目の今、あらためて考える将来のキャリアプランなどについて、お話を伺いました。
目次
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スポーツマンから整形外科を志し医局へ。現在は期間限定で救命科を担当
――まず、スカイ先生が大学を出られてからのご経歴や、整形外科を志したきっかけなどをお聞かせください。</span >
スカイ:私は大学時代に野球をやっていたんですが、ある時ちょっと肩を怪我してしまって、整形外科の先生にお世話になったんです。その時、自分も運動が好きですし、そういう方面で役に立てればいいな、という思いが生まれて、整形外科に進むことにしました。実際、他科に比べると、整形外科の先生はやはりスポーツをしていた人が多いようです。
大学を出た後2年間の初期研修は、関東の近くの病院で行いました。私の自宅の近くに出身大学の系列の病院がなかったことと、将来的には地元で働きたいという希望があったことから、出身大学とは別の病院での研修となったわけです。
その後、現在の大学病院の医局に入局しました。やはり出身大学ではなく、初期研修先の整形外科にここの先生が多かったということで、こちらに決まりました。そういうパターンで医局に入る例はけっこうありますね。現在は入局6年目になります。
――今現在の勤務状況は、どのようなスケジュールで、どんな内容でしょうか。</span >
スカイ:私、本来は整形外科なんですが、今年の4月から9月までの半年間、大学の救命科というところに、出向のような形で勤務しています。救命科は、医局での持ち回りでみんないずれは順番が回ってくるんです。救命科はシフト制なので定時に帰れることが多いんですが、そのほかに外部の病院の勤務などが、週2回は少なくともあります。外部の病院では当直の夜勤もありますね。
救命科は激務なのでは、と思われがちですが、どちらかというと整形外科にいる時の方が忙しいですね。手術をして、入院患者さんを受け持って、術後の管理をして、さらに普通の外来もあるので。救命科のほうは、働き方改革でシフト制になってきているので、定時になったら次の人に引き継いで帰れるんです。だから今の方が正直楽ですね。
救命科でも、私は整形外科的なところを診るのが基本なんですが、やっぱりほかの、例えば内科的なことも、少しはしなければいけない場合もあります。普段とはちょっと違う面で勉強になります。
30歳のターニングポイント。まずは年末の専門医資格取得を目指す
――先生は現在30歳ということで、そろそろ、将来に向けてのターニングポイントにある年齢かと思いますが、将来のキャリアプランについてはどのようにお考えでしょうか。</span >
スカイ:まず今年度末に、整形外科の専門医資格を取る予定です。資格取得のためには学会に出席して単位を取ることも必要ですし、ある程度の症例や手術を経験しなければなりません。それと、年度末に試験があるんですね。合格率は全体の70〜80パーセントなので、まあそれなりにちゃんと勉強すれば大丈夫かなとは思っていますが。時期的にそろそろ勉強しなきゃ、という感じですね。
例えば将来的に、このまま大学にずっと残り続けるのか、ある程度技術がついてきたら市中病院へ就職するか、あとは、開業医さんのところで勉強させてもらうという形もある。まあ、私自身は正直、そんなに長く大学にいようとは思っていないですね。やっぱり大学だと、拘束時間の面や、給料面でちょっと…ということもあるので。まあ、市中病院に勤務するとか、開業医さんのところで勤務したらいいかなとは考えてます。
――市中病院というのは、やはり、それなりに経験を積んでいないと難しいのでしょうか。</span >
スカイ:手術が中心の科なので、やっぱり手術がある程度できないと、雇ってもらうのはなかなか厳しいと思います。もちろん、外来だけやりますというような先生もいますが、実際にはやっぱり、手術は必要になると思うので、そこがある程度できてから、という人が多いですね、周りでも。
――ちなみに整形外科の先生は、どういった学会に入られるのでしょうか。整形外科以外にも入られたりするのですか?</span >
スカイ:日本整形外科学会というのが、一番のメインになります。他は、例えばそこから派生して、例えば膝とか、肩とか、そういう学会もあります。私は今、整形外科学会だけなんですが、これから専門医資格をとったあかつきには、やはり何らかの専門学会には入ろうかなと考えています。
いつまで大学にいるべきか? その先はどうする? まだまだ模索中
――整形外科医をなさっている上での悩みについて伺います。先生の年齢では、どういうことが今一番不安に、あるいは課題に感じていらっしゃいますか?</span >
スカイ:まあたぶん、私くらいだと、専門医を取るか取らないぐらいの年齢が多いと思うんですが、まず今後その専門をどうしようかなということですね。整形外科の中でもいろいろありますし。さらに、そこを決めたら、じゃあまた大学で少なくとも4、5年ぐらいの勉強になると思うんですが、そこからまたどうするかという問題があります。
やっぱり大学病院だとどうしても、
雑用と言ってはなんですが、そういう仕事が市中病院などと比べると多くなってしまいます。たぶん、ずっと大学にいたいなという人は正直、あまりいないと思うんですよ。そこで、例えば早くそういう市中病院に行った方がいいのか、あるいは大学病院の医局にもう少し所属し続けるほうがいいのか、ちょっと周りとも話したりして、どうしようかと悩んでいるところですね。
――周りのお医者様方に、そういった悩みを話したり、意見を聞いたりはよくされますか?</span >
スカイ:結構早くに専門医をとって、すぐに辞めてしまう先生もいれば、大学にずっと残っている先生もいらっしゃるので、そういう先生方から、メリットやデメリットの話を伺ったりしながら、今後どうしようかなと考えている形ですね。
同い年くらいの人が、キャリアについてどう考えているか、あるいは投資などお金のことをどうしているかなどは、やはり知りたいですね。お金の話も、医師仲間とは時々しますよ。情報は自分で集めて、将来設計は自分で模索していかなければいけないのは、仕事の特性上仕方のないことかもしれないです。でも、まあ逆に「自分の自由にできる」ということでもありますね。
【取材協力】
スカイ先生
整形外科医。学生時代、野球に情熱を注いだ経験からスポーツ医学に興味を持つ。車が好き。