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    【医師も気を付けたい】高所得者だからといって「マネーリテラシーが高い」とは言い切れない理由 | 勤務医ドットコム

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    【医師も気を付けたい】高所得者だからといって「マネーリテラシーが高い」とは言い切れない理由

    tokyoh@dmin2017

    「すでに億単位の資産を保有している人」「数百万円規模の資産を保有している人」では、どちらがお金のことを深く理解していると感じるでしょうか。

    一般的に考えるのであれば保有資産が大きい人ほどお金を味方につけていることが推測されます。よりお金のことを深く理解して使いこなしていると答える人も多いでしょうが、実際にはそうとは限りません。

    数百万円規模という現実味のある資産規模の人には「資産をもっと増やしたい」という思いがある可能性が高いのではないでしょうか。また保有している資産規模では安心の老後を迎えられないと危機感を持っているかもしれません。2020年6月には金融庁でさえも「老後資金が2,000万円不足する」と指摘したわけですから「もっと資産形成を進めて安心を得たい」と考えるのは自然なことです。

    お金に対する理解のことをマネーリテラシーといいますがこの比較のように「お金を多く持っているからといってマネーリテラシーが高い」とは言い切れない部分があります。むしろ高所得者や先祖代々の資産家に生まれた人のほうがお金を特に増やす必要性を感じない人もいるでしょう。なかには多くの資産を預貯金にしていたり金融機関から助言された通りに運用していたりする人も少なくありません。

    すでに大きな資産を保有している人は、そうでない人と地位が逆転することはないと感じている人もいるのではないでしょうか。しかしマネーリテラシーの格差が広がると逆転が起きることも絵空事ではなくなります。これから求められていくのは「お金を持っている」「お金を稼ぐ」といったことだけではなく「お金を守って育てる方法」です。

    本記事では、そのための基礎となるマネーリテラシーについて解説します。

    マネーリテラシーとは何か

    マネーリテラシーとは、お金の仕組みやお金によって安心、安定を手に入れるための学問です。資産運用や投資は、そのうちの手段にすぎずそういった手段に考えがいたるにはマネーリテラシーの基本が必要です。お金に振り回されるのではなくお金を味方につけることで将来の安心や生活の豊かさを獲得し人生を成功に導くのがマネーリテラシーといえるでしょう。

    マネーリテラシーは学校では教えてくれない

    諸外国では、マネーリテラシーを学問として教えていることもあります。しかし日本ではお金の話をすることをタブー視する傾向が強く「不労所得に近いようなお金の作り方は美徳ではない」との価値観が根強い傾向です。それでは逆に亡くなる前日まで懸命に働き続けるのが本当に幸せなのでしょうか?いかに高所得であっても「働き続けるだけの人生に価値を感じるか」は人それぞれです。

    また仮にひと財産を築いたとしてもリタイアした翌日からは資産を取り崩して生きることになります。そのため常に「カウントダウン」を意識することも心豊かな老後とはいえません。ここでも重要になるのがマネーリテラシーです。マネーリテラシーを身につけることによって資産を目減りさせることなく悠々自適な老後を過ごすことも十分可能になります。

    マネーリテラシー学の基本5項目

    マネーリテラシーには、主に以下のような基本5項目があります。この5つを理解かつ意識するだけでお金との付き合い方が大きく変わるでしょう。

    1.お金に働いてもらう

    自分が働くだけでなく資産がある人はお金にも働いてもらう考え方が必要です。現役世代のうちは、収入をアップすることに努力し徐々に自分が働くよりもお金に働いてもらう比率を高め、FIREと呼ばれる早期リタイアを目指すのも良いでしょう。

    2.お金を残すことを第一に考える

    投資に回して良いのは余剰金です。この「余剰」という言葉のせいもあってか「生活を送る中で余ったお金を投資に回す」といった認識をしている人も少なくありません。これではお金が残らない人が多いため、最初から投資分として一定のお金を残す意識を持つことが大切です。将来の自分への投資と位置づけましょう。

    3.借金も財産のうち

    「借金は悪」という価値観は、マネーリテラシーの観点から見ると「半分正解、半分間違い」です。なぜなら借金には良い借金と悪い借金があるからです。収益を得るための資産を購入する借金(不動産投資の物件購入など)は金利よりもリターンが大きいのであれば良い借金といえるでしょう。しかし足りないお金を工面するための借金は金利も高く悪い借金です。

    「借金も甲斐性のうち」と考える人もいるほど事業性の融資を利用できることは社会的信用の証しでもあります。良い借金が大きくなっているときには、リターンも大きくなっている傾向のため、資産形成が順調に進んでいるという見方もできるでしょう。

    4.支出の中身にこだわる

    支出は、手持ちのお金を減らす行為のため、中身にこだわることが必要です。日々なんとなく浪費しているお金の中には、何かしらの無駄が潜んでいます。もちろん浪費や衝動買いをすべて排除することは困難です。しかしお金を出す際には「その支出が自分にどんな価値をもたらすのか」を考える習慣を持ちましょう。この習慣により支出の質が高まります。

    例えば飲みに行くことによる支出についても「人間関係を深めてストレスを発散できる」という価値があるのであれば適度な頻度までは必要な支出と定義できます。あくまでもコストパフォーマンス重視となるため、ある程度の頻度を超えると過剰投資が浮き彫りになるでしょう。

    5.複利の概念を理解する

    資産運用には、複利という重要な概念があります。投資によって得られた運用益をさらに再投資すると元本と運用益が成長していくため、加速度的に資産が増えていくものです。お金がお金を呼んでくるようなイメージで運用を続けるモチベーションにもなりますし将来に対する安心感を得るのにも役立ちます。

    複利を理解すると時間の積み重ねが重要なことが分かってくるでしょう。運用する期間が長いほど複利効果は大きくなるため「長くお金に働いてもらう」ということにも主眼を置けるようになります。つまりより若い年齢から取り組むことで複利効果を大きくすることが期待できるのです。

    人任せにしていませんか?

    マネーリテラシーを自己診断するのは簡単ではありません。例えば客観的に判断する一つのバロメーターとして「資産の管理や運用を人任せにしていないか」という点が挙げられます。取引銀行や証券会社の担当者、保険の外交員など資産家や高所得者の周りにはこういった「お金のプロ」が出入りしている傾向です。こうした人たちは、お金について詳しい知見を持っている人も多いかもしれません。

    しかし必ずしも顧客の味方とは限らない点は押さえておきたいところです。個人的に雇った資産管理者や投資顧問であれば話は別ですが周りにいる「お金のプロ」には所属する会社がありそれぞれの会社には「売りたい商品」があります。あくまでも売りたい商品を売るための営業活動の一環として金融商品を提案していることが多いのです。

    そのため提案された金融商品が必ずしも顧客にとってメリットのあるものとは限りません。それを象徴するような不祥事が2019年のかんぽ生命による不正契約問題です。局員たちはノルマ達成のために郵便局への信頼を「悪用」して不適切な保険商品の販売を行い全国各地で大きな問題になりました。この事例からも自身の大切な資産や人生設計について他人に丸投げしてしまうことはハイリスクということが分かります。

    大切な資産のことを人任せにしてしまうのは、マネーリテラシーが高くない証拠ともいえるでしょう。本来は、自分で考えるべきことをプロだと思っている人に自分の大切な資産を任せっきりにしているわけです。まずは、自身のマネーリテラシーについて客観的な評価をしたうえで必要な知識を身につけていくことから始めるのが良いのではないでしょうか。

    どんなにすばらしい金融商品を提案されても最終的に投資するかどうかの判断は自分で行うことが必要です。「投資は自己責任」といわれるようにすべて自分自身で「学ぶ」「判断する」「行動する」といったことがマネーリテラシーの基本となります。

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