前回(【マニュアル重視の接遇でいいのか 第2回】旧来の方策から脱却を図る)の事例のように、マニュアルレイバー的な対応とは異なる、まさにヒューマンな処し方により、医療側と患者側の心の交流が図られ、患者の方は心温まる思い出として心の中に残り続けます。
このような交流は、患者のみならず医療従事者とっても癒しと安心を実感できる「接遇」のゴールとも言え、やりがいと誇りをはぐくむ鍵となります。
ポイント「接遇」イコール「受容・承認」
さらに1つ、「心の交流」の事例を挙げてみましょう。
ある療養型の病棟で長期間入院している患者の様子を家族に伝え心配を和らげようと、連絡ノートを作成するという案が出ました。
病棟すべての患者分のノートを作ることは難しいので、特に高齢の患者2名に対し実施することにしました。食事の状況、体温や血圧、表情や顔色など、医師や看護師が忙しい業務の合間を縫って、順番に書き込むのです。
それを時々、見舞いに来る患者の息子が読み、お返しのメッセージをノートの余白に書き綴ることをしていました。その連絡ノートには、このように書いてありました。
「先生や師長さんはじめスタッフの方々の心温まる介助に家族一同感謝しています。最後にお世話になる場所が皆さんの病院で本当に良かった。ありがとうございます」
ヒューマンワークにおいて、「心の交流」を発生させる原動力となる手法の1つに「傾聴」が挙げられます。コーチングのベーシックなスキルとして定着しつつありますが、「接遇」における傾聴とは、すなわち患者の話を遮ることなく最後まで聞いてあげることです。
人との交流、コミュニケーションにおいて、「心の交流」=「愛情」を実感できる最も基本的な関係性は受容と承認です。この原則を踏まえると、自分に気持ちを傾けてくれる愛情豊かな人間だという印象を抱いてもらう最も基本的で有効な手法が、受容と承認の象徴である傾聴でしょう。
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接遇策の事例
暖かな「接遇」が必要な場面で、いかにもマニュアル的なクールで客観的な対応をされたら、患者は自分の気持ちを無視されたように感じ、医療従事者から突き放された感覚を持ってしまい、とても愛情を感じることはできません。
しかし、理不尽な要求であっても医療従事者が真摯に耳を傾け、共感してくれれば、たとえ願いが聞き入れなくとも患者は納得するものです。
ここに挙げた事例を引き合いに出すまでもなく、より良い「接遇」は、患者のためにやっていることでも、結果はすべて自分にフィードバックされます。
働く喜び、生きがいとなってすべて自分に帰ってきます。「接遇」は、単なるビジネス上のサービスではなく、心の表現であり、生き方の問題なのです。
【それぞれの業務の意図するもの】
次回は第4回マニュアル重視の接遇でいいのかをお届けします。
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