近年、新興住宅地の開発が進んで来ました。
「コンパクトシティ」「防災に強い街づくり」等という触れ込みで、このしばらくの世相を反映したコミュニティづくりを目玉にしているため、不動産投資家も注目しているエリアがあるのではないでしょうか。
ここでは、新興住宅地や既存の土地などに着目し、新築メインで不動産投資を行う際のメリットやデメリットに関してまとめました。
不動産投資を土地探しから始めるメリット
不動産投資を始める際、建売新築物件のほか、マンションの区分販売、中古物件など既存の建物を中心に探すことが一般的です。
そのほか「これから住宅を建てる」「住宅が建てられる」土地を探すことから始める不動産投資の手段もあります。
それでは、土地探しから始める不動産投資のメリットをポイントごとに一つずつみていきましょう。
①間取りや戸数など自由度が高い建築ができる
学校や保育施設が徒歩圏内にある、オフィス街が近いなどさまざまな条件がそろった土地であれば、居住者層のターゲットに見合った建物の間取りを生み出すことができます。
単身向け・ファミリー向けなどイチから構想を練ることができるため、より住みやすさ・暮らしやすさを追求する建物づくりができます。
防犯強化や設備にこだわるなど付加価値を高めることも可能です。
②家賃を高く設定しても入居者が決まりやすい
「新築であること」は賃貸住宅を探す方の多くが優先順位の高い条件としています。
その土地の地域・交通の利便性など好条件がマッチすれば、相場より高い家賃を設定しても、新築直後~築浅の期間は入居者が決まりやすい傾向があります。
③維持管理に対するコストを抑えることができる
中古住宅や既存マンションの区分購入に比較すれば、新築であるだけ建物の維持管理に掛けるコストを抑えることができます。
その分修繕費積立に費用を掛けることができ、万一の大規模修繕にも対応できるメリットが生まれます。
④ローンを組むための担保力が高い
先述のように、新築や築浅の物件は建物の価値が高い、それは担保価値が高い物件だと金融機関は評価する傾向があります。
それにより新築物件に対する投資のための融資申し込みであれば、古い物件でローンを組むよりも比較的スムーズで、借り手にとって有利な条件での金利で融資してもらえる可能性が生まれます。
逆にデメリットはどんなことがあるのか?
土地から探す住宅投資にもデメリットが潜んでいます。
こちらもポイントごとに一つずつみていきましょう。
①建築完了~引き渡しまでに半年近くの時間を要する
土地を購入し、その住宅が完成するまで多くの手続きと建築工程があります。
アパートやマンションを建てる際に建築確認~建築許可が下りなければ、その時点で計画は終了です。住宅投資そのものが失敗となります。
建築許可が下り、実際に工期に入ったとしても資材の供給バランスが悪く、工期が遅れてしまうこともあります。
建物が完成し完了検査もクリアしなければ、入居募集もままならない状態となります。
そのため、住宅引き渡しが終了しても、入居者がつくまでにさらに時間が掛かる可能性が生まれます。
②建設業者の選定を間違えれば、安普請のアパートになる可能性も?
信頼できる建設業者に任せることが一番ですが、中には工事工程を省いて作業を行う業者や発注通りの建築資材を用いることなく差額を着服する業者もまれにみられます。
もちろん、このような業者はほんのわずかですが、投資を行う側としては、信頼できる業者を選定することが重要なポイントになります。
土地選びから親身になって相談に乗ってくれる業者、工期の進捗管理をしっかり行い施工主に逐次報告してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
③建築知識を持ち合わせていないと土地から探すのは難しい
周辺環境が良く、ここにアパートやマンションを建てたら高い利回りが得られそうという場所には、マンションやアパートなどは建てられない地域も存在します。
また、登記上宅地ではないため住宅を建てることができないというような制約にとらわれてしまう可能性があります。
目先の利益だけで購入を決めても、建築やそれに関する法律などの知識がなければ不動産投資自体が失敗する可能性もはらんでいます。
投資パートナーとなるべく不動産会社のコンサルタント等と一緒に土地探しを行うなど、知識を取り入れながらであれば、この問題はクリア可能です。
土地から不動産投資物件を探すことのメリットやデメリットに関してお伝えしましたが、これは建売などに代表される新築物件にも通じる項目もあります。
これらのことを踏まえながら、不動産投資に適した物件を探すことをおすすめします。