日本国内の不況という状況下において、最近は“リスク分散”のために海外投資を選ぶ投資家が増えているといいます。数ある海外投資対象のなかでも、金融商品よりも安定感のある不動産投資が有力な選択肢になっています。少子高齢化や年金問題など、日本の先行きが見えづらくなっている今だからこそ、将来の移住の可能性も見据えた投資先の選び方が重要なのです。
家賃収入と売却、二つの収益構造
不動産投資には大きく分けて二つの収益構造があります。それは家賃収入(インカムゲイン)と売却(キャピタルゲイン)です。
海外でも国内でも不動産投資を始める場合は、アパートやマンションを購入し、他人に貸し出し、家賃収入を得る方法を取ります。家賃収入を得るための重要なポイントは「住宅需要が高いこと」にほかなりません。
日本では少子高齢化が進み、郊外を中心に住む人がいなくなった“空き家問題”のニュースを見るようになりました。しかし逆に、都心や人気のエリアは今も住宅需要は伸びていますが、その分購入価格も上がっています。
その点、東南アジアなどは人口増加が続き、住宅需要が高まっています。さらに日本よりもリーズナブルな値段で不動産を購入することができ、居住者も集めやすい状況にあるようです。ここが海外不動産投資の大きなメリットです。
売却に関しては、人口増加による住宅需要のアップに加えて、経済成長を続けている国が多いため、それに比例するように国民の収入も物価も上がっていく状態にあります。これはつまり、購入時と売却時の“差額”がつきやすいことを意味しているため、売却で利益を出しやすいといってよいでしょう。
さらにいえば、不動産投資は人に貸すのを止めれば、購入したアパートやマンションは自分のものなので、自分自身で住むこともできます。マレーシアやシンガポールなどの住みやすいといわれる国は、定年退職後のセカンドライフの移住先として需要が高まっているそうです。
海外不動産投資の注意点、デメリットは?
先に海外不動産のメリットを挙げましたが、これだけを読んで「簡単に儲かりそうだし、セカンドライフも楽しそうだからやってみよう」と、なんの準備もせずに行動するのは要注意です。
言葉も国民性も文化も異なる海外で投資を始めるには、メリットと同様にデメリットや注意点を知っておく必要があります。表と裏の両面をよく把握したうえで、どのように行動するのが適切かを見極めるべきです。
海外不動産投資の注意点の一つは、国内よりも的確な情報を収集することが難しい点です。そもそも不動産業が本業ではない医師が不動産投資を始めるには、国内にしても慎重に進める必要があります。それを海外でやるのであれば、なおさら慎重に、かつ的確な情報を集める必要があります。自分自身で頻繁に現地に行くことができない分、情報収集の難易度は国内よりも格段に上がります。
そこで重要になるポイントは、信頼できる不動産の仲介業務をしてくれるエージェントを見つけることです。悪徳なエージェントにつかまってしまうと、入金した途端に連絡が取れなくなったり、不正確な情報を与えられて損をしたりと、投資が失敗に終わるケースが出てきてしまうので注意が必要です。できれば知人に紹介してもらうなど、確実に信頼できるエージェントを探さなくてはなりません。
また、不動産投資では購入の際に金融機関から融資を受けることが一般的ですが、海外不動産投資の場合は融資条件が国内よりも悪いことが少なくありません。金利が高い、融資額は購入額の50~60%までなど、さまざまな制限が設けられることがあるという点も事前に頭に入れておきたいところです。
よりリスクの少ない投資先とは?
メリットもあれば、デメリットもある海外不動産投資。そのうえで大切なことは、よりリスクの少ない国で不動産投資を始めることです。
例えば、日本人の旅行先として大人気のハワイは世界的に見ても不動産の需要が高いこともあり、購入価格は非常に高額に設定されています。ホノルルの場合は平均価格で約7,400万円。初期費用が高額になるのはリスクですが、住宅需要は高く、今後も価格の高騰が予想されているので、キャピタルゲインを狙う意味ではハイリスク・ハイリターンの投資先といえるかもしれません。
一方、東南アジアは初期費用を抑えることができます。例えば今後も住宅需要の増大が見込まれるマレーシアは、物価が日本の約3分の1程度。日本人が住みたい国ランキングのトップの常連であり、海外投資家からも人気が高いマレーシアは、インカムゲイン、キャピタルゲインともに得られる可能性の高い国といえます。
まとめ
ほかにも、投資先として魅力的な国はたくさんあります。せっかく投資するのであれば、自分が好きな国も候補に入れて検討するのも一つの手です。しかし先述した通り、海外不動産投資はリスクも大きい投資方法です。そのため、投資をする際は慎重に吟味をした上で挑戦しましょう。
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