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【現役医師連載コラム】もう勤務医は辞めたい!開業を考えたら知るべき5つの真実

「もう勤務医はやってられない!」

そう思って、開業を視野に活動をし始める先生は、年々低年齢化している印象です。それくらい、勤務医の待遇が悪く、逆に開業医の待遇が良いという「格差」があるという事ですね。

さて、そんな開業ですが、果たして本当に「そんな夢のようなもの」なのでしょうか?

勢いで勤務医を辞めて、開業して後悔してしまう前に、知っておくべき事をいくつかピックアップします。

1、開業してから立地は変えられない

開業を1度すると、基本的には立地の変更は好ましくありません。

理由は単純で、患者さんが離れていってしまうからです。

あらゆる店舗型のビジネスには、商圏という概念があります。店舗を中心に半径どれくらいの距離の人が、来てくれる、みたいな概念です。

クリニックも店舗型のビジネスですから、商圏はかなり影響します。開業前の競合調査などでも出てくる概念ですので、馴染みがある方もいらっしゃるかもしれません。

やはり、ある程度特定の地域で根付いたクリニックの、立地を変えるのはデメリットが大きいと言わざるを得ません。

その地域の人が、離れてしまいますので。

逆に

■ 開業直後、すぐに手狭に感じた
■ 開業ししばらく経つが、商圏内の過疎化が進み人口が減ってきた

というようなケースでは、開業後も立地の変更を行った方がプラスになる場合もあります。

開業直後の立地変更は、あまり周辺認知が深まる前に変更できますから、問題ない可能性が高いです。また開業直後に手狭になるという事は、かなり人気で需要が根強い事が示唆されますから、多少エリアがズレても、既存顧客はついてきてくれる可能性が高いと言えます。

開業後しばらく経った後でも、商圏の過疎化による顧客減少は、立地の変更による商圏の変更でしか対応できませんから、立地変更はアリです。というか、プラスにはなり得ませんが、将来訪れる圧倒的なマイナスを早めに刈り取る事ができる、という意味合いですね。

開業する際の、立地はかなりシビアに絞り込んだ方が、良いでしょう。

2、開業のキモ「人材採用」の悩みは消えない

開業で最も大変なのは、人材採用です。

良い人材を安く、大量に雇用する事。これができれば、開業は半分成功だと言っても過言ではないでしょう。

逆に、人材獲得困難で、開業したは良いが潰れるクリニックは、結構あります。

中でも

■ 採用そのものはできているが、採用コストがかさんだ

という理由で、経営が立ち行かなくなるクリニックが、あります。

東京商工リサーチのデータでも、それなりの規模の医療法人が倒産する場合、多くは上記が原因です。

人材採用戦略も、開業するならよく吟味し、整える必要があります。

3、開業後は、資金繰りとの戦い

開業後、思っていたのと違うと感じるのが、資金繰りです。

保険診療の場合、売上発生から実際に保険料が振り込まれてくるまで、数ヶ月のタイムラグがあります。

仮に黒字になるまで1年かかったとして、事実上は単月の黒字がキャッシュベースで確認されるのは、1年半くらいのことが多いですね。

そうなると、1年半の赤字に耐えられるような資金計画を立てて、事前に多めの金額を金融機関から調達しておかなければ、キャッシュが焦げついて倒産してしまいます。

開業医の多くは個人事業主で、株式会社のような有限責任ではなく、無限責任です。全て負債は先生個人に降りかかりますから、倒産するわけにはいきません。

事前の資金計画はある程度幅を持たせて、多めの金額を借りておくようにしましょう。金利はケチってはいけません。

4、開業後、スタッフ間の人間関係が最も大変

開業後に最も頭を悩ませるのは、スタッフ間の人間関係です。

勤務医時代も痛感すると思いますが、職場の人間関係というものはなかなかどうして、うまくいきません。必ずイザコザがあります。

その人間関係の中、中立にして絶対の存在が、医師です。開業医です。

開業医の先生の立ち振る舞いによって、スタッフ間の人間関係がどの方向に進んで、クリニック全体がどういう進路に向かうか、決まっていきます。

組織のマネジメント関連の知識が求められ、同時にハラスメントなどの法的な知識も求められつつ、人間としてのユーモアもとコミュニケーション能力も求められます。

開業は、超マルチタスクなのです。

5、開業後、求められる知識は集客と税務

開業後、ゆっくりと医療と向き合いたい、と思う先生は多いと思います。

残念ながら、そんな時代は終わりました。

開業とは経営であり、今や競争が激化しています。

求められる知識は集客やマーケティング、税務に関する知識です。医療だけをのんびりやってうまくいく、なんて感覚は捨てなければなりません。

広告方法はどうするか?リスティングか?SEOか?看板広告か?市役所のサイネージ?バス?私鉄の駅?

これくらい儲かったら、税金はどうなる?少しでも税務上の負荷を減らすには、どうするべきか?スタッフに還元するには?

考え始めると、キリがありません。

これらを網羅して把握し、仮に広告や税務をプロにアウトソースするとしても、共通言語として話せるくらいの知識は求められます。

開業したら、医療に専念できる。

これは大きな間違いだという事は、開業前に知っておくべきです。

現役医師連載シリーズ


▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

URL:https://bluestorage.co.jp/

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