不動産投資において、ローンと一括払いでどのような違いが生じるのでしょうか。
一括払いにも、購入者によってはリスクが生じます。
ローン払いと一括払い、それぞれのメリットやリスクを見ていきましょう。
先行きへの不安を払拭できるか
まずは、不動産投資でローンを組むことにより生じるリスクを紹介します。
不動産投資のローンは、低金利であっても決して安い金額ではありません。
月々の支払いには余裕が持てますが、最終的に支払う金額は一括払いと比較すると大きいです。
不動産投資で家賃収入(インカムゲイン)での利益を見込んでいるのであれば、ローン返済額以上の家賃を設定する必要があります。
また、不動産を購入する際、ローンは30年や35年等の長期にわたって組まれることが多いです。
突然の病気やケガで、継続した支払いが行えなくなる可能性もあります。
そうなってしまった際、ローンは大きな負担となるでしょう。
ローンのメリットは挑戦できるところ
もちろん融資を受けることにはメリットもあります。
ローンを組むと負担を分散できるので、マンションのような一棟物の大型物件を購入することができます。
よって一括で購入できる範囲の物件に比べ、賃貸にした時に多くの家賃収入(インカムゲイン)を得られる可能性が高いです。
リスクを承知の上でより多くの収益を得るためには、分割払いは1つの手段となります。
また、収益が大きくなると所得税が増えるので、個人としてではなく法人化して会社として経営することも検討しましょう。
ただ、節税目的や収益目的など、目的によってリスクの取り方は異なります。見極めて選択していきましょう。
一括購入であれば金利や手数料が不要
それでは、ローンと比べて一括購入はどのようなメリットがあるのでしょうか。
一括購入の最大のメリットは、ローン金利や手数料が不要である点です。
団体信用生命保険や保険会社への保証料も必要ないので、ローンを組んで購入する際と比較すると、最終的に必要な資金に大きな差が出ます。
支払いが完了しているので、急病などでローンの返済ができなくなるといったリスクがないのも安心できる点です。
また、ローンや保険を組む際には様々な審査があり、契約まで数ヶ月かかります。
現金での一括購入であれば審査が不要な分、契約や引き渡しが早く済むのも、目立たない部分ではありますがメリットです。
家賃収入(インカムゲイン)での利益をより早く生むためにも、早めの契約をすることに越したことはありません。
現金に余裕を持たせる
一括購入にもリスクはあります。
一括購入にメリットが多いですが、無理な投資は禁物です。
一括で購入する際に考えられる最大のリスクは、手元の現金が大幅に減ることです。
子供の進学や家族の医療費は勿論ですが、いざというときに動かせるお金をある程度手元に残しておきましょう。
不動産は安定感のある資産ではありますが、有価証券と比較してすぐに現金化することが難しい面があります。
また、通常数千万円の現金を個人で集めるのは容易でないので、不動産を一括で購入すると税務署から税務調査が入る可能性があります。
勿論、適正に申告すれば心配する必要はありません。
いずれにしても、現金一括払いで不動産を購入する場合は、無理のない範囲に収めるようにしましょう。
不動産を購入すると減価償却による節税や、マンションや住宅の大家になることで不労所得の獲得ができる大きな魅力がある一方、固定資産税や所得税が増えます。
一括払いにしてもローンにしても、目的に合った不動産に適した投資をし、計画的に運用をしましょう。