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    大学病院と市中病院の違いとは? 役割や業務内容、メリット・デメリットを解説 | 勤務医ドットコム

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    大学病院と市中病院の違いとは? 役割や業務内容、メリット・デメリットを解説

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    医学部を卒業した後は、ほとんどの方が研修医として大学病院や市中病院で医師として診療にあたります。同じ医師として働くとしても、大学病院と市中病院ではそれぞれ異なる役割や特徴があることをご存じでしょうか?他にも診療内容の充実度や専門性、設備の面でもさまざまな違いがあり、どちらもその地域において重要な役割を果たしていることは間違いありません。

    そこで今回は、大学病院と市中病院の役割や業務内容の違いや、それぞれの病院で働くメリット・デメリットを解説します。

    大学病院は、国立・公立・私立の大学や医学部と関連して運営されている病院のことを指します。診療の役割だけでなく、医師の教育、最新医療の研究の一環としての役割を果たしています。

    大学病院が担う3つの役割とは

    患者さんの診療を行うという点では一般病院と変わりませんが、市中病院では提供できない高度な医療技術や最新の治療方法を提供できるのが大学病院の強みです。特に、難病や重篤な疾患の治療や専門的な手術などの高度な医療に特化しています。医師や医療スタッフの多さも特徴です。

    大学病院では、医学生の実習や研修医の育成や指導、医学部の教員との連携など、医学の教育を担う役割も果たしています。そのため、大学病院に勤務すると、市中病院に比べて実習や勉強の機会が多いといえるでしょう。最新の医療や先端技術を習得し、高度なレベルの臨床経験を積むことが可能となります。

    医学研究の推進に重要な役割を果たしているのも大学病院の特徴です。臨床研究に力を入れるために、病院内には研究施設や研究室が設けられており、基礎研究から未だ発見されていない医療技術の研究や診療方法まで、新しい医療技術の研究・開発を行います。また、大学病院は他の医療機関との連携を通じて、学際的な研究活動も行っています。

    このように、大学病院は医学教育・研究と高度な医療を統合した総合的な医療機関であり、医学の進歩や医療の質の向上に貢献しています。

    大学病院で働くメリット

    大学病院で働くメリットは、何といっても高度な医療技術や最新の治療方法を学ぶ機会が多くあることでしょう。臨床研究の機関もあるため、研究に興味関心の高い医師にとっては成長につながる環境です。

    また、研修プログラムや教育制度が整っているので、専門性やスキルを磨くことができます。他の医療従事者とのチーム医療の実践や連携も行われるため、幅広い経験を積むことが可能となるのです。

    以上のことから、大学病院での勤務は教育・研究への関与による知識の深化、専門性の向上など期待されます。専門性に特化したスキルアップを考えている方に向いているといえるでしょう。

    大学病院で働くデメリット

    一方で、大学病院で働くデメリットとしては、第一に厳しい勤務条件が挙げられます。救急で入ってくる患者さんに対応するため24時間体制を整えている病院では、長時間の勤務や不規則なシフト、当直などの対応が求められます。医師は仕事とプライベートの両立が難しいという印象があるものこのためです。

    また、大学病院では教育や研究の一環としての業務も重要とされるので、知識・技術向上のための研修や講習会、勉強会なども多く、自由な時間が少ない点がデメリットといえるでしょう。学会発表が近づくと、寝る間も惜しんで発表準備に追われる、ということも珍しくありません。驚くべきことに、かつてはカンファレンスが夜の12時から始まる大学病院もあったようです。ただし、2024年4月からは医師の働き方改革が施行されるので、医療機関の労働環境も改善していくことでしょう。

    他には、大規模組織がゆえに人間関係の悩みもあります。教授、上級医、看護師などの間で板挟みになり、トラブルに巻き込まれるケースも多いようです。ただでさえ業務内容が多岐にわたって忙しいのに、業務外でもストレスを感じることが多い点もデメリットといえるかもしれません。

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    地域密着型で医療サービスを提供する『市中病院』

    市中病院とは、多くの場合、医療法人や社会福祉法人、公益法人などが運営する病院を指します。教育・研究の機能は持っていないところが多く、主に医療サービスの提供に特化しています。

    市中病院の役割や特長とは

    市中病院は、地域住民の健康管理や一般的な病気の治療、予防医療などを行い、地域の需要に即した医療サービスを提供します。具体的には、一般診察、検査(血液検査、画像検査など)、処方箋の発行、手術(一部の場合)、救急医療などが挙げられます。

    市中病院は大学病院と比較して規模が小さく、限られた設備で基本的な医療を提供することが一般的です。大学病院と比べて医師の人数も最小限のため、1人が担う業務の幅が広い点が特徴です。地域密着型の病院といえるでしょう。

    市中病院で働くメリット

    市中病院で働くメリットとして、患者さんとの関係性を深めやすい点が挙げられます。大学病院と比べて小規模で地域密着型であるため、患者さんとよりリアルな関係を築くことが可能です。

    また、市中病院ではさまざまな症例に接する機会も多くなっています。大学病院では多くの医師がいますが、民間病院は医師も看護師も最低限の人数しかいないため、現場経験が豊富になります。これにより、現場で働きながら幅広い医療知識や技術を習得することができ、より多彩な患者さんに対応するための診断や治療のスキルを高めることが可能です。

    これは医師に限らず看護師も同様です。大学病院は医師・看護師の役割が明確に分担されているケースが多いのですが、市中病院では看護師が医師の指示の元で治療に携わるため、看護師の業務内容も幅広くなります。とある市中病院では看護師が経鼻エアウェイ挿入することが当たり前だったのですが、それを見た大学病院の医師が驚いたというエピソードもあったようです。

    そして、市中病院は大学病院と比較して、勤務時間や勤務負荷が比較的安定していることが多いといえます。仕事とプライベートのバランスを取りやすい点は大きなメリットです。地域の患者さんと関わりながら実践を通じてスキルを磨いていきたい方は、市中病院での勤務が向いているかもしれません。

    市中病院のデメリット

    市中病院で働くデメリットは、深い専門知識や技術を磨く機会が限られてしまう可能性があることです。もちろん、多くの診療科目をカバーするためにある程度の専門性は必要ですが、大学病院ほどの研修制度が整っていないところもあります。エキスパートとして患者さんに向き合いたいという人にとっては、デメリットになる可能性があります。

    また、医療従事者の不足により、大学病院とはまた違った理由で長時間勤務や不規則なシフトが求められることがあります。しかも、高齢者人口の増加や医療需要の増大により、市中病院では患者数が増える傾向もあります。そうなると個々のスタッフに対する負担がさらに増え、それがストレスになる可能性も考えられます。

    ここまで紹介したメリット・デメリットは一つの例であり、地域や個々の病院によって異なります。具体的な病院に関する詳細な情報は、個々の病院のウェブサイトや公式情報を参照することをおすすめします。

    勤務先は自身の優先事項やキャリア目標に合わせて検討しよう

    ここまで大学病院と市中病院の違い、それぞれの役割、メリット・デメリットについてお話ししてきました。どちらも患者さんに誠心誠意対応することには変わりませんが、どちらで働くかによって業務内容や得られるスキルは大きく変わってきます。

    これから勤務医として働くことを考えている方は、自身の優先事項やキャリア目標に合わせて比較検討することが重要です。各病院の募集情報や従業員の声、現場での働き方についてよく調査して判断すれば、あとになって後悔するということもなくなるでしょう。

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