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    医師が法人を設立して不動産投資を行うことのメリットについて

    tokyoh@dmin2017

    勤務医を含む医師が不動産投資をはじめるにあたり、「個人で行うか、法人で行うか」で悩んだ経験のある人もいるのではないでしょうか。不動産投資については、法人で行うほうがメリットとしては大きいといわれています。では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

    不動産投資を法人で行うことのメリットとは?

    不動産投資を法人で行う場合、個人で行う場合と比べてタックスメリットなどさまざまなメリットがあります。

    タックスメリットが大きい

    法人の場合、経費の幅が個人よりも大きくなります。さらに家族を役員とした場合、その家族に報酬を支払うことも可能です。これは、個人で不動産投資を行う際には受けることができないタックスメリットといえるでしょう。

    設立して間もない法人であっても融資を受けることができる

    いくら法人で不動産投資を行うほうがいいといわれても、会社を設立してすぐに金融機関から融資を受けることができるのか不安に感じる人が多いかもしれません。結論からいうと、新設の法人であっても融資を受けることは可能です。ただし金融機関によっては、新設法人を個人の資産管理会社として位置付けあくまでも個人と法人を一体として融資審査を行うところもあります。

    そのため個人の属性(年収や勤務年数などの信用情報)に問題がある場合は、融資がおりない可能性もあるのです。また、融資評価額の満額が融資可能というわけではありませんので、その点にも注意が必要です。新設法人で融資を受ける場合、まずは法人格で融資を受けることができるかどうかについて事前に金融機関へ確認しましょう。金融機関によって異なりますが、新設法人の場合「個人への融資と比べて高金利」「融資期間の短縮や融資金額の減少」といった対応をされることがあります。

    しかしそういったスタートであっても、地道に実績を積んでいけば将来的に追加融資を受けたり金利の交渉を受けたりすることなどが期待できるでしょう。このような理由からも今後事業を拡大する意向があれば、最初から法人で不動産投資を行うほうがいいといえます。

    社長としての自覚が芽生える

    法人の設立には、設立費用はもちろん、その後の維持費用もかかります。毎年の決算があることから決算を税理士へ依頼することで発生する報酬も考えることが必要です。「法人を設立して不動産投資を開始し経営がうまくいかなかったら会社を廃業させればいい」と考えるのは本末転倒といえるでしょう。

    会社を設立すると同様に廃業時にもさまざまな手続きや費用が発生した後、精算処理も発生します。そのため法人を設立して不動産投資を行うにあたっては、「必ず利益を上げて事業を成功させる」という覚悟が必要です。そのような社会的責任を背負う立場に自分を置くことによって、より真剣に不動産経営に取り組む環境づくりにつなげられます。

    法人化のメリットとは?

    では、一般的にいわれている法人格におけるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

    経費として計上できる項目の幅が広い

    法人格にすることにより、個人で行うことに比べて経費として計上できる幅が広くなります。特に人件費を計上できることは最大のメリットです。配偶者などの家族を役員にし、その法人の仕事の一部をしてもらうことで、役員報酬を支払うことも可能となります。

    融資を受ける際の連帯保証人が不要となる

    自分が法人の代表者になることで法人が主債務者、代表者となる自分自身が連帯保証人として融資を受けることができます。以前であれば法人であっても配偶者などの連帯保証人が必要とされていたケースもありましたが、今では連帯保証人はほぼ不要となっています。

    退職金を支払うことができる

    家族に法人の仕事を手伝ってもらうことで役員報酬を支払うことができるだけでなく退職金を支払うこともできます。もちろん代表者の自分に対して退職金を準備することも可能です。またその際の準備金については、原則として経費計上することができます。

    生命保険料を経費にすることができる

    個人が加入する生命保険でも支払った保険料に応じて生命保険料控除を受けることができますが、上限が決まっています。一方、法人契約で加入した生命保険料については、原則として上限なしで経費とすることが可能です。

    損失が発生した際の繰越期間が長い

    個人で不動産投資を行っており、その年に損失が発生した場合は損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。しかし法人であれば繰り越しできる期間は10年間です。

    日当などの手当を支払うことができる

    法人設立の際に規程を作成し内容を定めておくことで、日当などの手当を支払うことができます。例えば「出張旅費規程」を作成し交通費や宿泊などの手当額を決めておくことで、それに応じた宿泊手当や日当などの手当を支払うことが可能です。また経費として計上することもできます。

    倒産に備えた共済制度への加入が可能となる

    法人であれば経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に加入することができます。掛け金は、すべて経費として計上可能です。

    消費税の還付を受けることができる

    一般的に不動産を購入する際の建物部分には消費税が課税されます。また支払った消費税については、収入における消費税額から控除することが可能です。そのため法人で不動産を購入した場合、基準や要件を満たせばその建物部分に含まれる消費税の還付を受けられる可能性があります。

    不動産投資に適した法人の形態とは?

     
    一般的に法人といわれて思い浮かぶのは株式会社でしょう。しかし会社には株式会社以外にもさまざまな形態の会社があります。不動産投資の際の法人形態については、設立費用が低くまた維持費用も抑えることができる「合同会社」がよいといわれています。合同会社とは、2006年の会社法改正によって誕生した新しい形態の会社です。

    株式会社と異なる点としては、会社の債権者に対し出資額を限度として直接責任を負うことが挙げられます。

    合同会社のメリット

    合同会社のメリットは、株式会社に比べて低価格で設立できることです。

    登録免許税 定款認証にかかる費用 設立費用合計
    株式会社 最低15万円 9万2,000円※ 24万2,000円
    合同会社 最低6万円 不要 6万円

    ※公証人の手数料:5万円、謄本手数料:1枚250円、おおむね8枚程度で2,000円程度、印紙代:4万円

    また株式会社の場合、定款で「公告については官報で行う」と定めた場合、決算の際に公告費用として官報掲載費が約7万円かかります。しかし合同会社の場合は決算公告自体が必要ないため、この費用も不要です。

    合同会社のデメリット

    株式会社と比較してまだ社会的な認知度が低いことから、信用性の面で劣るところがデメリットです。また利益が計上できない赤字経営であったとしても法人住民税の均等割が最低7万円かかります(東京都の場合)。さらに社会保険などの加入義務もあるため、それらの手続きを忘れないようにすることが必要です。

    法人設立の手続きは難しい?

    昔であれば法人設立の手続きについては司法書士や行政書士、税理士へ依頼して行うことが主流だったため報酬の支払いも必要でした。しかし現在ではインターネットの設立支援サイトを利用することで、簡単に手続きを行うことができます。会社設立の際には、合同会社であっても法人の印鑑が必要です。そのため上述した登録免許税のほかに印鑑作成費用が発生することも覚えておきましょう。

    最近では、特典を利用して無料で利用できる設立支援サイトもあるため、自分で法人設立を目指す人は積極的に利用してみてください。


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