住宅ローンや融資などの契約の際に必要になることが多い課税証明書や納税証明書。医師の中でも勤務医の収入は給与所得なので、基本的に税金に関する手続きは勤務先の病院で行われているはずです。ただし、課税証明書・納税証明書が必要になった場合は、自分で申請・取得する必要があります。
この記事では、課税証明書・納税証明書の取得方法や種類について詳しく解説していきます。
課税証明書の種類と取得方法
はじめに、課税証明書についてご説明しましょう。
大まかに説明すると、課税証明書とは、市区町村が発行する住民税額や扶養家族などを証明する書類のことです。自治体によって課税証明書の呼び方や種類は多少異なりますが、具体的には以下のような種類があります。
・課税証明書
課税額証明には、所得金額・住民税額が記載されています。
・全項目証明
全項目証明には、所得額・住民税の課税額・扶養家族・控除内訳・課税標準額が記載されています。
・非課税証明
非課税証明は、住民税が課税されていないことを証明する書類です。
・課標証明
課標証明には、住民税の課税額と課税標準額が記載されています。
課税証明書は、市役所などの窓口のほか、郵送でも申請・取得可能です。市役所などの窓口で申請する場合は、備え付けの申請書に必要事項を記入して提出すると、その場で受け取ることができます。
郵送の場合は、まず申請書を取得し、以下のものも同封して郵送すると、後日課税証明書が返送されるという流れになります(申請書は自治体のホームページなどでもダウンロード可能となっている場合が多いようです)。
・手数料分の定額小為替
・切手を貼り、返送先の住所とあて名を記載した返信用封筒
・本人証明書類の写し
このほか、マイナンバーカードを持っている場合は、コンビニエンスストアなどに置かれているマルチコピー機の行政サービス機能を利用して取得できる自治体もあるようです。
※課税証明書で証明されるのは前年1月1日~12月31日までの税金額になります。ただし、前年の課税証明書は、翌年の5月中旬以降にならないと取得できないため、注意が必要です。
また、課税証明書の請求先は、その年の1月1日時点で住所を置いていた自治体になるため、申請時には注意するようにしてください。
納税証明書の種類と取得方法
次に納税証明書の種類と取得方法についてご説明しましょう。
納税証明書とは、確定申告書などを提出した方が納税したことを証明するための書類で、大まかに分けると次の4種類があります。
納税証明書(その1)
納付すべき税額、納付した税額及び未納税額などの証明
納税証明書(その2)
所得金額の証明(個人の場合は申告所得税または申告所得税及び復興特別所得税にかかる所得金額・法人は法人税にかかる所得金額となります。)
納税証明書(その3)
未納の税金がないことの証明
納税証明書(その4)
証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明
納税証明書の取得方法は、国税・都道府県税・市町村税の3つのうち、どの証明が必要かによって申請先が異なります。
・国税(所得税、法人税、相続税、消費税など)
国税の納税証明書の申請先は、所轄の税務署になります。国税の納税証明書はオンライン(e-Tax)、郵送、税務署の窓口で申請・取得可能です。
・都道府県税(不動産取得税、自動車取得税など)
都道府県税の納税証明書の申請先は、都道府県税事務所になります。
・市町村税(個人住民税、固定資産税など)
市町村税の納税証明書の申請先は、市町村役場か市町村税事務所となります。
都道府県税・市町村税についても、自治体によっては郵送、あるいはオンラインでの申請・取得ができる場合もあるようです。郵送の場合は課税証明書の郵送での申請と流れは同じですが、費用や必要書類は異なる場合が多いので、事前に該当する役所に確認することをおすすめします。
課税証明書と納税証明書が必要となるケースは?
課税証明書は、主に住民税額を証明するために必要となる書類です。具体的なケースとしては、金融機関でのローンの申し込み時や、子供がいる場合は児童手当の申請時などが挙げられます。課税証明書を申請する際には、「全項目証明」「課税証明書」のどちらが必要なのか、あるいはそのほかの証明書が必要なのかについて、しっかり確認するようにしましょう。
納税証明書が必要になるのは、金融機関での融資の申し込み時や、車検手続きなどの際です。特に金融機関での融資に申し込む場合は、税金の滞納をしていないことが条件となっているため、必要になると考えておいた方がよいでしょう。
まとめ
医師の中でも勤務医の場合、基本的には勤務先の病院が税金の手続きをしているので、普段はあまり税金に触れる機会がないかもしれません。けれども、住宅ローンを組んだり、車検を受けたりする場合などには、自分自身で「課税証明書」や「納税証明書」を取得する必要が出てきます。
この2つは名称こそ似ているものの、必要となるシーンや証明内容はかなり異なる部分もあるため、申請時にはしっかり確認するようにしましょう。