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    【継承開業のすすめ】開業の先輩が教える、失敗しないための3つのポイント | 勤務医ドットコム

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    【継承開業のすすめ】開業の先輩が教える、失敗しないための3つのポイント

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    いつかは開業したいと考えている医師の方は多いと思います。しかし開業にあたっては資金面でのハードル、そして患者さんをゼロから開拓しなければならないなど様々な難しさがあることも事実です。そこで今回は「事業継承での開業」という方法をご紹介します。新規開業よりも多くのメリットがある「事業承継での開業」について、実際に経験し今も順調に経営を続けている立場から、失敗しないためにおさえておきたい3つのポイントを解説します。

    クリニックを開業する場合、新規開業と継承開業があります。新規開業はゼロから物件を探したりスタッフを募集したり、必要な医療機器なども購入する必要がありますが、事業継承はすでに運営している医療機関を引き継いで開業する方法です。

    私は勤務医をしていましたが、開業を考えていたタイミングで「事業承継をしたい」と考えている医師と御縁があり2021年に心療内科クリニックを引き継ぎました。信頼を寄せてくださる患者さんやスタッフに支えられ、開業から2年が経過した現在、クリニックの運営は順調です。

    開業を考えている医師にとっては「継承開業の方が良い」ということは共通認識だと思います。その理由や失敗しない承継開業の仕方について、私なりの正攻法を伝授します。

    ポイント①以前のクリニックから患者さんを引き継ぐことができる

    新規開業をする場合、その地域でニーズがあるのか? 長期にわたって患者さんに来てもらえるのか? などがわからないリスクがあります。しかし継承開業であれば、地域にすでになじみのあるクリニックですから、これまで通っていた患者さんも合わせて引き継げます。

    ポイント②開業してすぐの忙しさを緩和できる

    新規開業の場合、どうしても最初は新患の人ばかりになります。特に心療内科の場合は大変です。初診の患者さんは一番困っている状態で診察にいらっしゃるので、状態を適切に把握して薬剤の調整をしなければならなかったり、時には入院が必要かどうかを見極めたりしなければなりません。このように初診の方はケアが必要な人たちが多く、対応に多くの時間を必要とするにもかかわらず、まったくの新規開業の場合、その患者さんはクリニックの通院加療が最適かどうかはわかりません。心療内科クリニックの経営においては、クリニックの通院加療で安定できる患者さんが多くいらっしゃることが望ましいのです。

    ポイント③優秀で長く働いてくれるスタッフを確保できる

    スタッフの採用の問題もあります。新規開業はゼロから採用をする必要があり、信頼できるスタッフを探すことは至難の業です。継承開業であればすでにその医療機関で働いているスタッフの方がそのまま働き続けてくれることが多く、定着率も高いといわれています。

    ここまでの理由を見ていると、継承開業の方が開業のハードルがかなり下がることが納得していただけると思います。

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    継承開業をする前に確認しておきたいこと

    私が継承によって開業した心療内科クリニックは、引き継ぐ以前も心療内科でした。私の場合はクリニックの名前を変えずにそのまま引き継いでいますが、変更しても引き継いでもどちらでも問題ありません。

    引き継ぐクリニックの評判は必ずチェックする

    継承開業をするかどうか迷った際に気を付けたいのは、その医療機関が「なぜ継承したいと考えているか」です。「院長が引退を考えているから誰かに引き継ぎたい」というのが最も多いパターンだと思います。そうした場合、施設や設備がどの程度老朽化しているのかを確認するようにしましょう。設備自体に問題がなくとも、内装が古くさくなっているということもあります。

    さらにいえば、高齢によって引退する場合、患者側に不満が溜まっていることもあります。「あのおじいちゃん先生、年のせいか全然話をきいてくれない」…なんて思われているかもしれません。信頼関係に問題が出始めている場合、地域の患者さんが徐々に離れはじめていたり、「別にこのクリニックじゃなくてもいいかな」と思い始めていた、という状況になってるということもあります。その場合、クリニックを引き継いでもこれまでの患者さんがそのまま通い続けてくれない恐れがあります。

    継承開業のメリットは、設備投資がおさえられるほかにも、「長く通ってくれている患者さんを引き継ぐことができる」という点が大きいかと思います。患者さんが来てくれなくなるのであれば継承するメリットが減ってしまいますし、患者さんが見込みより少ないどころか、悪い噂が流れてしまっているケースも考えられます。事前に入念なチェックをすることは必須です。

    以前の院長のスタンスと近いクリニックを選ぶ

    新規開業したクリニックの多くは2~3年で患者さんが定着し始め、その後落ちつく傾向にあります。私が継承したクリニックは、以前のクリニックが開業して7年目ぐらいのタイミングで継承することができたのですが、そのくらいがちょうど良いのかもしれません。

    さらに、前任の先生の臨床のスタンスについても確認をしておくと良いでしょう。特に精神科の場合、患者さんは「この先生だから来たい」と思って来院してくださる方が大半です。前任の先生が診療で大事にしていることを自分も大事にできるかということは、事前に確認しておくと安心です。​

    継承開業のリアル

    継承開業をする場合のお金の流れは、多くの医師が気になることだと思います。通常のM&Aの場合、事業の利益に対して3年分程度の金額を手数料として支払うことが多いようですが、クリニックの継承開業の場合は1年分程度の利益の金額を支払うのが相場とされています。私の場合、ローンを組んで運転資金や設備資金を調達しました。税理士さんにお願いして融資先を3つほどあげてもらい、その中で金利が一番安いところから借り入れをしています。

    融資を受ける場合にも、継承開業であれば以前のクリニックの売上をもとに今後の売上が予測できるので融資がおりやすいですし、私の場合は「仮に、今後、患者さんが4割減ったとしても問題がない」という計算のもと、融資がおりました。

    また新規開業の場合、医療機関コードをゼロから作り煩雑な手続きをする必要がありますが、法人として継承開業をすれば医療機関コードを引き継ぐことができるのも、メリットといえるでしょう。

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    まとめ

    新規開業すると大変なことも、継承開業であればかなり軽減されるということがご理解いただけたかと思います。少しでも継承開業を考えているという方は、まずはM&Aの会社と繋がりをつくっておくことをお勧めします。M&A会社はさまざまな診療科やエリアの継承開業の情報を持っています。まずはどのようなクリニックがあるかを見てみてはいかがでしょうか。​

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