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    【現役医師連載コラム】こんな物件に気をつけろ!医師が陥りやすい不動産投資の罠 | 勤務医ドットコム

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    【現役医師連載コラム】こんな物件に気をつけろ!医師が陥りやすい不動産投資の罠

    tokyoh@dmin2017

    前回の記事<現役医師が警告!こんな不動産業者には注意>に引き続き、今回も不動産投資の注意点についてです。

    今回フォーカスするのは、物件ベースです。不動産投資において、物件を吟味する事は当然重要なのですが、吟味をする上で注意しなければいけない、避けなければいけない物件が存在しますので、解説していきます。

    特に、このような方は注意しなければなりません。

    ・とにかく仕事が忙しい
    ・プライベートの時間はなかなか確保できない
    ・性格的には、結構せっかちな方だと思う
    ・あんまり不動産に時間を割きたくない、考えたくない

    少しでも「自分が当てはまるかも…?」と思った方は、注意して下さいね。

    こんな物件に気をつけろ!一括借り上げ(サブリース)

    みなさんは、こんな謳い文句を聞いた事がありませんか?

    「この物件は、一括借り上げで、家賃が保証されています。」

    「仮に空室でも、借り上げている会社が家賃を補填してくれます。その代わり、借り上げている会社は一生懸命、入居者を探すモチベーションが高まるので、win-winなのです。」

    といった具合です。

    これをサブリースと呼びますが、サブリースの物件は避けた方が無難です。

    一見すると、まるで初心者に向いているようですし、忙しいお医者さんにピッタリな不動産投資なのではないか?と思ってしまいますよね。

    しかし、これは罠です。

    日本には借地借家法という、借主を手厚く保護する法律があり、借主側がかなり有利です。

    この一括借り上げというスキームは、まさに「借り上げ」の文字通り、借り上げる側の会社が、借主になります。

    そうすると、借地借家法で法的に保護されるのは、借り上げている会社であって、貸主である医師側はむしろ保護から反対側にいます。

    一般的に、借主の方が立場上は弱い事が多いので、成立しています。しかしながら、この場合は立場が逆です。知識も経験も豊富な借り上げ業者が、手厚く保護されてしまいます。

    それを利用されると、ある日

    「借り上げ家賃、減額のお知らせ」

    という、恐ろしい紙が届いてしまいます。

    経年でサブリースして貸す家賃が減少してしまうのは、ご理解いただけると思います。それに伴って借り上げ家賃も下げる、つまり不動産投資家に渡されるサブリース料も減ってしまうのは、当然の事なのですが…この減額交渉が、一方的になされてしまいます。

    よく考えればおかしな話なのですが、借地借家法を逆手に取ると、こういったおかしな事がまかり通ってしまうようです。

    これは、不動産投資の素人では到底、見抜けません。

    ある日いきなりサブリース賃料を減額させられてしまったら、恐ろしいですよね。

    不動産投資の初心者こそ、サブリース物件は避けた方が無難です。

    医師は「不動産について考えたくない」けどやりたい、という人が多過ぎる

    そもそもなぜ、医師はこのようなサブリース物件を、買ってしまうのでしょうか?

    それはおそらく、医師が「不動産の事はなるべく考えたくない」と思っているからだと思います。

    医師は医師の仕事に集中したく、あくまで不動産はサブ。なるべく頭も体も時間も使いたくないのは、痛いほど理解できます。

    しかしながら、その気持ちが強すぎると、最終的にサブリースにたどり着いてしまい、痛い目を見る事もありますから、注意が必要です。

    こんな物件に気をつけろ!賃料のお化粧物件(AD物件)

    もう1つ。賃料にお化粧を施した物件には、お気をつけ下さい。

    家賃というのは、相場が必ずあります。

    相場から乖離した金額で貸す事も、やろうと思えばできるという事です。

    それがこのAD物件です。

    ADという名前の広告費を、不動産仲介業者に支払う事で、不動産仲介業者に客付けのモチベーションを高めてもらい、それにより高い賃料でも空室を埋めてもらう方法です。

    この方法では、仮に空室が埋まったとしても、もっと安い部屋にすぐ引っ越してしまう可能性があります。

    また、ADだけではなく、最近はフリーレントと言って、家賃ゼロの期間を設ける場合もあります。

    これは、引っ越しなどの初期費用がかかる入居時に、少しでも負担を減らしてもらい、その代わりに毎月支払う家賃を少し高く取る、というスキームです。

    引越しの初期費用を支払えないような入居者であれば、このスキームは輝いて見えるもの。多少家賃が高くても、入居してくれます。

    しかし、ADもフリーレントも、どちらも「本来の物件が持っている賃料」からは、高く乖離して貸せてしまうという事にもなり、それは家賃のお化粧です。

    そういったお化粧の物件を買うと、痛い目をみます。

    例えば、1部屋本当は7万円の部屋を、9万円で貸したとしましょう。月額2万円の差額です。10部屋あれば、月額20万、年間240万円です。

    仮に利回り5%で購入するならば、年間240万円の家賃上昇分は、物件価格にして

    240万円/0.05=4800万円

    と、4800万円も高く買わされる事になります。

    しかし、見た目上の利回りは、5%で同様です。利回りが「高くお化粧された家賃」によって、作り出されているわけです。

    医師は「賃料の妥当性」さえ、調べようとしないので注意が必要です。

    全ては医師の「忙しさ」が原因

    医師は忙しい、だからこそ不動産投資は良い。

    これはわかります。

    しかしながら、全く何もしなくて良いかというと、そうではないと思います。

    最低限でも調べる事は調べる。例えば購入する物件の家賃が適正なのか、ポータルサイトでサクッと調べるくらいのことをすれば、数分でわかりますよね。

    その努力を怠ってしまうと、賃料の妥当性が判断できず、上記のような賃料のお化粧物件(AD物件)を買ってしまうわけです。

    最低でも、知識は身につけたいところです。

    とはいえ、具体的な知識をどうやって身につければ良いのか、わからないという方もいらっしゃると思います。
    そういう方は、まずは実際に不動産投資を行っている先生に聞いてみるとか、そういったリサーチが有効かと思います。

    現役医師連載シリーズ


    ▼著者
    大石龍之介
    株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

    URL:https://bluestorage.co.jp/


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