こんにちは、美容医師の大石です。
前回<Instagramはもう古い?美容クリニックの集客新時代>は、SNSをターゲットごとにうまくプラットフォームを使い分けた方が良い、という話をしました。また、ショートムービーがユーザー数を増やしていて、Instagramのアルゴリズムもリール動画に傾いているから、注力した方が良い、という話をしました。
いずれにしても、ちょっと小手先というか、テクニカルな内容だったと思います。今回は、SNS運用の本質というか、コンテンツの中身の部分にスポットライトを当てていきたいと思います。
SNSで人が求めている情報1、実益
Twitter、Instagram、Facebook、TikTok…さまざまなSNSがはびこる時代ですが、SNSの世界で人々が知りたいと思っている、ついつい見てしまう、求めている情報というのは、実は2つしかありません。
1つは実益です。
これって実際どうなんだろう?という口コミや使用感に関する、一次情報。感想。これらが豊富なSNSでは、そういった実益のある一次情報を求めて人々が検索しています。
他にも「こうやったらモテる」とか「資産運用はとりあえずこれからやれ」とか、概ねお金や恋愛、仕事に直結している、つまり日常的な生活にすぐ役立てる事ができるような、おまとめ情報みたいなものも、提供している価値としては実益に分類されます。
ここでポイントなのが、何も一次情報だけが実益としての価値ではないという事です。
わかりにくい情報をわかりやすく解説しているとか、バラバラになっていてまとまっていない情報をまとめてみるとか、そういった事でも実益を提供する事はできます。
どうしても、じゃあSNSで実益のある投稿をしようとして、自分の体験した一次情報だけを投稿していると、確実に投稿のペースが落ちてしまって、最終的にはネタ切れになってしまいます。
ネタ切れにならないためにも、実益として上記のような、わかりにくいものをわかりやすく、バラバラなものを綺麗にまとめて、うまく混ぜ込んで提供していくのが良いでしょう。
ちなみに面白いのが、どんなSNSでも、最終的にこの「実益」は、高い価値を持ちます。
TikTokが流行り出した当初、ユーザーにとって人気だった動画は、可愛い女子高生が踊っている動画ばかりで、ひたすらダンスの動画ばかりが人気でした。
しかしながら今なっては、TikTokで人気の動画といえば、割とテキストも入っているような「実益」を生み出す、情報の塊です。
プラットフォームが変わっても、テキストから画像、画像から動画に変わっても、結局のところ人々が取り入れたい情報として「実益」は、価値を生み出し続けると考えて良いでしょう。
話を戻します。
美容クリニック、美容医療に関していえば
「実際に施術を受けた患者さんの感想」
は、最もSNSで仕入れたい一次情報になります。
仮に、クリニックや院長のアカウントで、出演して話してくれるというお客さんがいれば、例えばクオカード3000円プレゼントとか、そういった事をして、質の良い投稿内容を集めるのも、良いと思います。
他にも
「コスパの良い美容医療ランキング」
「これから来る!これからの最新美容医療」
など、サービス提供者だからこそわかるような、網羅した情報をうまくまとめて提供する事は、非常に高い価値を生み出します。
しかしながら、この投稿は時間と労力がかかってしまいます。院長クラスの人間が手動でやると、明らかに時間のコスパが悪いと言えるでしょう。
ではどうしたら良いのか?オススメなのは、ボイスレコーダーなどで院長の発言を録音して、それを文字起こししてうまくまとめて、動画や画像にしてくれる人を、外注してしまう事です。
割と最近だと、若手のスタッフでそういう事ができてしまう子もいますから、彼女たちに頼んでも良いでしょうし、そんな暇を持て余しているスタッフはいないというなら、ココナラやクラウドワークスで発注するか、お近くのSNS運用代行会社に仕事を依頼してしまうのが良いかもしれませんね。
SNSで人が求めている情報2、共感
実益に次いで、人々がSNSで求めているコンテンツは、共感です。
正確には、共感を産むようなコンテンツです。
例えば「徹夜で準備したプレゼン…全然ダメだった。努力すれば叶う…とは思ってないけど、こうも努力が実らないと、なかなか辛い」とかですね。
そのコンテンツを見て「わかる!わかるよ!!」とつい言いたくなってしまう。そんなコンテンツが、求められています。
お分かりかと思いますが、これは読者層によってさまざまです。
先ほどの例は、おそらくサラリーマンには響くでしょう。しかしながら、中学生などの若者の学生さんには、正直なところ響かないのではないでしょうか。
共感のコンテンツは、実益よりもさらにシビアに読者層の選定が必要になります。
美容業界で言えば
「美容クリニックの先生って、なんか若いのに態度が横柄で、ムカつく事ありませんか?」
とかですかね。あるあるですよね。
このように、将来の顧客になりそうなターゲットを選んで、彼らがつい共感してくれそうな内容を、うまいこと立ち回って投稿すると、結構バズったりします。
ただ、この手法の難しいところは、誰かを攻撃すると敵対関係を作ってしまう可能性があったり、そもそもターゲットの共感を生み出すようなコンテンツがこちらはわからない、という事があると思います。
オススメの方法は、お客さんにいろいろ話を聞いてみる事です。
なぜうちを選んでくれたのか、今までどういうところでどういう経験をして、どういう嫌な事があったのか。あまり突きすぎない程度に、少しオープントークで聞いてみて、それが何十人何百人と積み重なってくると、見えてくるものもあると思います。
この方法なら、あらゆる業界の「共感」を生み出す事ができるので、オススメです。
いかがでしたか?今回も結構、盛りだくさんでしたが…次回は、有料広告について書いていきたいと思っています。
▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。