インターネットの普及により勤務医同士の情報交換が容易にできる近頃では、医師が起業をすることで、社会に好循環をもたらそうとする動きが非常に多く見受けられるようになりました。
医師の起業には、勤務医にとって「開業以外の道」という新たなキャリアを生み出すメリットもあると考えられます。
そこで今回は、理想と現実のギャップが生じやすい医療現場の実情をご紹介しながら、そんな環境下で働く医師だからこそできる起業の特徴を徹底解説していきます。
目次
世間のイメージと実際の現場とのギャップに悩む医師も多い
病院という閉鎖的な環境で働く勤務医には、次のように多くの悩みやジレンマが生じやすい実情があります。
・ワーク・ライフ・バランスの問題
一般社会と比べて1日の就労時間が非常に長い勤務医の医師は、プライベートと仕事のやりがいの両立に関するジレンマが起こりやすい傾向にあります。某調査会社によるアンケート結果で全体の4割以上の人が「ある」と答えたオンコールや当直などの勤務状況を鑑みれば、この職業における負担感から見た年収の高さは当然と言える部分もあるでしょう。
しかし、ワーク・ライフ・バランスを保つ上で欠かせない今後のキャリアや家族との時間、子育てなどに目を向けると、勤務医自身の価値観に合った理想像はなかなか定まりにくい実情があります。
・患者さんや社会との間に生じる問題
高齢化社会に伴う認知症や、食生活の欧米化による生活習慣病の増加といった健康問題の増える近頃では、病気の予防につながる情報提供や患者さんとのコミュニケーションに悩む医師も少なくない実情があります。
また、悪質なメディアによる誤った医療情報がネット上に溢れる近頃では、こうした内容への盲信をする一般社会に問題意識を持つドクターも多いようです。
医師だからこその知識を活かして起業するケースが多く見られる
このように理想と現実のギャップに悩む医師の間で、起業を通して一般社会と医療界の溝を埋める動きが活発になっています。ちなみに産婦人科医の宋美玄氏によると、古い時代における医師の起業家とは、ドロップアウト組という少しネガティブなイメージが強かったそうです。
一方で、ここ数年で急増している起業には、高い学歴とキャリアを持ち、医療業界に対して問題意識をしっかり持った医師による能動的な活動というポジティブな特徴があります。
医師の起業は、どんな業界に多いのか?
自身の抱える問題意識や経験をビジネスに活かそうとする医師たちは、次の分野や業界で起業を成功させています。
・医療情報サイト
2016年秋に起きた医療キュレーションメディアの炎上問題により、昔で例える「家庭の医学」のように確かな情報を発信するサイトの重要性に着目するドクターが増加傾向にあります。監修医師の実名も掲載するこうしたサイトには、専門家の集う医療業界からも幅広い信頼が集まっています。
また、正確さとわかりやすさを兼ね備えた医師監修の情報には、専門用語のわからない一般読者にも欲しい内容を容易に得やすい特徴があるようです。
・ヘルスケア
人々の健康をサポートするヘルスケアも、多くの医師起業家が注目する市場です。例えば、今話題の健康保険組合向けのサービスには、加入者の通院状況や検診データに対して医師が助言をおこなうことにより、病気の重症化を防げるメリットがあります。
また、元気な従業員の増加は休職率や保険料率を下げることから、企業経営に好循環をもたらす目的でこのサービスに関心を示す事業主は非常に多い実情があると考えられています。
・コミュニティサイト
10万人以上の医師が登録する大手のコミュニティサービスも、起業家ドクターによって生み出されたものです。サイト内で共有される薬剤の口コミや手術動画は、患者さんの治療や医療サービス向上に役立てられる大事な情報となります。
また、こうしたサイトで生まれるつながりが各ドクターの抱える悩みの解消や、開業・起業のきっかけになり得るとも考えられています。
そのため、一般の人とは直接的に関係のないコミュニティサイトの誕生が、将来的な国内の健康促進や病気予防などに役立つ可能性は十分にあると捉えて良いでしょう。
起業する場合でも、本業の手を抜かないように常に心がけることが重要!
臨床医としての経験や信頼がビジネスに好循環をもたらす医師の起業の場合、絶対に本業をおろそかにしてはならないという注意点があります。
また、「人命を救うこと」という医師本来の目的を大事にするドクター起業家の多くは、起業を一般社会や医療業界の問題を解決する手段と捉える傾向が高いです。したがって医師という特性を活かしたビジネスを考える際には、勤務医や開業医としての顔や、本業を大事にする仕組みづくりも必要となります。
まとめ
コンビニエンスストアや飲食店など、街を歩けば多くの外国人が日本で働いていることが分かります。以前のように日本人だけに対応していればよかった時代は終わりつつあり、確実に変化しています。問診表や院内表示の多言語化などの環境づくりや英会話レッスンなど、できるところから始めておきましょう。地域の支援機関との連携なども、準備しておくと心強いですね。
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