今は超低金利時代です。
現預金を手元に置いていたとしても利息で利益を生むことはできません。
預貯金が潤沢にあり「使い道がない」という場合、利益を求めることや税金対策等さまざまな理由から資金を運用することが推奨されています。
では、「資金運用」にはどのような種類があり、それぞれはどのように違うのでしょうか。
「投資」「融資」「出資」それぞれ意味
ここからはそれぞれの運用方法を詳しく見ていきましょう。
①投資(とうし)
自分自身が利益を得る目的で、住宅や事業等に資金を出すことをいいます。
事業拡大のために設備を購入することを「設備投資」といいますし、高いリターンを得るために株式や外貨を購入することは「株式投資」といいます。
家賃収入などで利益を生み出すために不動産物件を購入する「不動産投資」もその一つです。
②融資(ゆうし)
お金が必要な方に対して、金融機関などが不足分を補うなど必要な資金を融通(貸し付け)することを融資といいます。
融資を受ける側は期日までに借入利息をつけて返済することを約束します。
ただし、融資を受けるには厳しい審査が必要です。
使途や目的、返済計画などを明らかしなければ、借り受けることはできません。
③出資(しゅっし)
事業を興す計画をする企業主などに対し、その資本となる事業資金を提供することをいいます。
先に挙げた「投資」や「融資」とは異なり、企業には返済の義務はないという特徴があります。
企業に利益が出れば出資者への配当金が付きますが、出資金に対する利息などはつきません。
株式会社へ出資した場合、その出資口数分の株券が手元に届きます。
その株式の保有比率によって会社の経営権を握ることも可能です。
もちろん、株式を売却することができますが(譲渡制限つき株式は売却不可)、会社の業績によっては株価が下落し、先に投じた出資金より手元に入るお金が少なくなる可能性があります。
言葉の意味や性質は違えど、「投資」につながる事案
「投資」「融資」「出資」この三つの言葉が持つ意味合いはすべて異なることが分かりました。
ただし、融資は「利息をつけて返済すること」を信頼してお金を貸す、いわば「投資」ですし、出資も会社の成功を期待して投資する(ただし返済の義務はない)ことにつながります。
いずれにせよ、多額の資金を投じることになるので、自分自身の生活に影響しないように資金を拠出しなければいけません。
また、「投資」「融資」「出資」いずれの場合も念入りにリサーチを行った上で決定しなければ、お金をすべて失う可能性も秘めています。
リスクも背中合わせになっていることも覚えておきましょう。
「投資」「融資」「出資」…誰が行うものなのか?
融資に関しては信用が付いてくる事案になるため、金融機関を中心に行われます。
出資は、複数名の同じ志を持つ仲間でお金を出し合って事業を興す場合に多く利用されます。
投資は自己の利益のために資金を投じるというのが一般的です。
では、「医師や企業経営者など年収1,000万以上の高所得者」が行う資産運用の場合、「投資・融資・出資」のどれが適切なのでしょうか。
「借金」という名目での融資は少額の範囲であれば多くの方が行いますが、最終的には人間関係が壊れます。
また利息をつけて返済を求める場合「貸し金業法」に抵触する可能性もあるためおすすめできるものではありません。
「出資」に関しては、仲間内で法人格を立ち上げるという現実的かつ具体的な話の上では適当ですが、その会社そのものや出資した事業が軌道に乗る可能性は予測できません。
返済や配当が見込めない状態であることを理解した上で行うのが一般的です。
「投資」の場合、自分が持つ現預金を不動産という資産や株式などの有価証券に変えることができます。
特にマンションやアパートに投資をして賃貸収入を得るという手法であれば、ローンを利用して物件を購入した場合でも、完済後は家賃収入をそのまま自らの収入として組み入れることができます。
30代から40代の方であれば、銀行融資も受けやすいですし、仕事をリタイヤする年齢に達するまでローンを完済できる可能性があります。
投資はリターンを得るまでに時間がかかる手段ですが、リスクが低く大きな利益を生む運用方法であるといるでしょう。