患者満足度を調査することで、既存患者の定着化を図るだけにとどまらず、診療・治療・接遇などの改善に活かしたり、新規患者の獲得につながる施策を検討する上で、非常に重要なデータを得ることが可能となります。
調査のやり方はさまざまですが、最初は外部の機関を使って大掛かりに行うのではなく、自前で簡潔に実施することから始めてみてはいかがでしょうか。
ポイント「患者満足度調査の方法」
患者満足度調査で達成できることは以下の2点です。
① 現状把握
自院の医療サービス全般の評価を確認することができます。調査結果を使って、診療・治療などを改善するためのヒントが得られ、患者満足のさらなる向上を目指す指針となります。
② 患者像の把握
自院の医療サービスに対して高い満足度を持っている患者、逆に不満足を感じている患者を洗い出し、自院に最も適している患者の把握を行うことができます。
調査の方法には、「定量調査」と「定性調査」の二つがあります。
「定量調査」
一般的な調査方法で、患者の実態や意識について、定量的なデータすなわち数値で傾向を把握します。書面やWeb、郵送などでアンケート形式で行うものです。高齢者はWebに抵抗がある方もいるので、発送や集計に手間がかかりますが、回収率は郵送の方が高くなるようです。
質問内容は、「入院時の説明手続きに満足できましたか」、「入院中のプライバシーは守られていましたか」、「医師との対話に満足していますか」などの、どのような患者でもすぐにこたえられるシンプルなものを20問程度が一般的です。
「定性調査」
選択式の回答では確認することが難しい満足・不満足の回答背景にある理由を、深掘りして聴取することで、患者理解を深め、潜在的な意識を把握することができます。たとえば、個別面談やグループインタビュー調査などはその方法の一例ですが、ヒアリングのスキルにある程度の専門性が必要となりますので、「定性調査」は専門家に依頼した方が的確な結果が得られると思われます。
実際の調査方法例
都内のA病院では下記の要領で調査を行いました。
●職員がアンケートについて説明を行い、承諾いただいた患者および家族へアンケート用紙を配付する。患者はアンケート用紙を記入し、回収箱に入れる。
●調査実施の一週間前より、調査実施の説明と協力依頼のポスターの掲示を行なった。ポスターには、「アンケート用紙には無記名で記入いただくこと」、「アンケート結果はすべて統計的に処理すること」、「職員が内容を確認することは一切ないこと」を記載した。また、調査実施時には、職員より患者さん一人ひとりに調査実施の説明を行った。
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