こんにちは、現役医師で不動産投資家の、大石です。
前回の記事では、初期研修開始から、後期研修2年目の後半で不動産投資を考えて勉強し始めるくらいのところまでを書きました。
今回はそこから先、具体的に不動産投資をどうやって開始していったのかを、書いていきます。
後期研修2年目後半、この物件良いじゃん!
不動産投資の勉強を始めて、数ヶ月が経った頃。
実際に物件を探し始めて「おっ、これはまあまあでは!?」という物件を発見しました。
以下、物件スペックです。
・鉄骨造3階建て、築17年
・2DK6部屋、ピロティタイプ
・2階、3階に3部屋ずつ
・1階は駐車場、駐車場は6台
・地方の閑静な住宅街のエリア、ファミリー需要あり
・家賃は5.5万円、駐車場代込み、5/6入居
・物件価格3400万円、利回り11%くらい
今考えても、この条件だけ見たら買いだと思うので、あの時の判断は間違っていなかったと思います。
耐用年数的に、20年くらいの融資期間が取れますし、月33万円の家賃で、返済が半分ちょっとくらい、管理費等を除いても、月10万円くらいは残るのではないかと思いました。
早速、不動産屋さんに買付証明書を提出、融資特約ありで、不動産屋さんに地元の信用金庫を紹介してもらって、突撃しました。
結果…融資でませんでした。
なぜか?
答えは簡単、鉄骨造だったんですが、重量鉄骨ではなくて、軽量鉄骨だったんです。
耐用年数が34年だと思っていたら、19年のものだったということですね。ほぼ耐用年数切れ。建物部分の銀行評価はゼロで、融資期間も数年しか出ませんから、キャッシュフローがマイナスです。
当然、これでは購入できません。
ガッカリしながらも、次の物件を探し始めます。
やっぱり最初から1棟なんて、大きく出るのはリスキーかなとも思い、区分を探し始め、そう思ったら今度は戸建てを始めたり、ブレまくってました(笑)
この時は、色々と紆余曲折を経ました。
おっ!と思える物件が出て、今度は本当に鉄骨造だけど、なぜか駐車場がゼロ。お隣の土地の駐車場を全て借り上げていて、それで駐車場付き物件として賃貸に出しているというわけでした。
駐車場ゼロというワードにビビってしまった、不動産投資初心者の僕。
そうこうしている内に、誰かがサッと購入して、この物件は流れてしまいました。
他にも、ファミリーRC築17年、利回りは10%弱です。
これまた、今思い返せば買っておくべき物件でしたが、ちょっと場所が外れた場所にあったので、なぜかスルーしてしまいました。
僕が問い合わせをして1週間後、この物件は買い付けが入り、買われていきました。
このように「これは良いのではないかな?と思える物件に問い合わせては玉砕」というのを何回も繰り返し、だんだんと気が滅入ってきました。
このまま買えず、後期研修は冬を迎え、歳を越しました。
実家に帰った際、ついでに戸建て物件を見たりもしました。今思うと、ものすごいブレブレです。何をどうしたいのか、わかっていませんでした。
そう思うと、危険だったなと思います。やはりプロに相談して、そんなに割安じゃなくても良いからとにかくまずは小さく、始めるのが良いかなと思います。
後期研修の終わり、1物件目に出会う
年を越して、運命の1物件目に出会いました。
1Kで駐車場がついている、駅徒歩15分くらいの物件です。築13年で、利回りは12%くらいでした。1室も空室がない物件でした。
これは買いだと思いましたが、やっぱり最後の最後で勇気が出ません。
1回パスして、今度は春を迎えます。
後期研修3年目になり、転勤がありました。
やはり転勤して4月からも、その物件のことが忘れられず、もう1回トライして、買い付けを出しました。
銀行は、1回目に行って玉砕した信用金庫に突撃、無事融資がおりる事になりました。
こうして、僕は最初の1物件目を購入するに至ったわけです。
後期研修3年目、物件を増やし始める
そうして最初の物件を購入し、正直なところ手元に残るお金は、もろもろを差し引くとちょっとある程度です。それでも、月に数万円、働かなくても手元にお金が残るという現実に、ウキウキしました。
完全に、不動産投資に対する恐怖心が外れて、メリットに心をときめかせている状態です。
これをきっかけに、毎年ドンドン物件を購入していきました。
結果的に、今現在は家賃収入が1500万円くらいあります。月125万円くらいですね。
今考えると、長い道のりだったと思います。しかしながら、その蓄積した時間は、僕自身に大きな実りを与えてくれています。
勝手に家賃が入ってきて、勝手に返済が進んで、減価償却による還付金などもあり、少しばかりだけども手元にお金が勝手に残る。
この状況を早めに作って、あとは時間経過を待つ。それだけです。
やはり不動産投資は「早く始める」ことが、かなり有利に働くなと実感しています。
これは全てのことに共通していますが、誰もが最初は初心者です。
今となっては不動産投資家としてそれなりの実績を出しつつある僕ですが、このような紆余曲折、ブレブレな時期を経て、確かな今があります。
まずは死なない程度の規模で、始めてみる。
何も大当たりの、お宝物件を探す必要なんて無いのです。蓄積した時間と経験が、解決してくれますから。
これが、不動産投資の醍醐味だとも言えるでしょう。
不動産投資は金額が大きいので、メンタルブロックがどうしても発生してしまうと思います。
この体験記、僕の不動産履歴を見て、少しでもメンタルブロックが外れて、第一歩を踏み出す糧となりますことを、願っています。
▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。