購入前に必ず押さえたいポイントの筆頭にあるのが「立地」です。でも、実際に現地へ足を運び、自分で調べて決めることは多忙を極める医師には難しいもの……。
そこで今回は、どこを押さえるのがよいのか、気をつけるべきことは何か、立地に関して押さえたいポイントをまとめました。
東京都心が大前提
人気のない立地に建っているマンションは常に空室リスクにさらされています。不動産投資を行ううえでは「1に立地、2に立地」、「立地が全て」と言われていることを頭の中に入れておきましょう。
それでは「人気の立地」はどこなのでしょうか。まず大前提として「東京都心」であることです。“東京一極集中”と言われるほど、仕事も商業施設も集中している都心が人気の立地であることは間違いがありません。
さらに細かく見ていくと、都内でも「千代田区」、「中央区」、「港区」の3区がピカイチのマンション価値をもっています。できればこの3区内でマンションを購入して不動産投資をスタートしたいところですが、「超人気の立地=価格も高い」ものです。
そのため、優先順位の幅を少しずつ広げていくことをおすすめします。この3区で難しい場合は、次に「渋谷区」、「新宿区」を追加した「都心5区」に広げ、さらに次のステップは「文京区」を足した「都心6区」に広げてみましょう。
もう少し広げたいときは、この都心6区に隣接した8区、「台東区」、「江東区」、「品川区」、「目黒区」、「世田谷区」、「杉並区」、「中野区」、「豊島区」、「墨田区」、「大田区」を追加して「都心16区」で考えてみてください。
東京の人口推移、都市開発もチェック
現在は「千代田区」、「中央区」、「港区」の3区がピカイチのマンション価値と言われていますが、時代の変化にあわせて、ここも変わっていく可能性もあります。そのため不動産投資を行う際は、世間の情勢に対して常にアンテナを立てておくことも重要です。
たとえば、東京都が発表している統計データを見ると、「東京都の総人口は平成37年に1,398万人でピークを迎え、以後減少へ」とあります。さらに細かく見ると、「平成32年までにピークを迎える区」は足立区、葛飾区、江戸川区、「平成37年にピークを迎える区」は新宿区、墨田区、目黒区、大田区、世田谷区、中央区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、練馬区、「平成42年にピークを迎える区」は文京区、台東区、品川区、渋谷区、板橋区、「平成47年にピークを迎える区」は江東区とあります。
この統計データ自体が今後変わっていく可能性もありますが、不動産投資を行う際は、これらのデータも1つの参考として頭の中に入れておきたいところです。
情勢の変化でいくと、「新駅の開発」にも注目しておくべきです。先日、山手線の品川-田町間に「高輪ゲートウェイ駅」がじつに約50年ぶりに新設されることが発表されました。他にも日比谷線に「虎ノ門ヒルズ駅」ができるなど、今後も新たな駅が生まれる可能性があります。新たな駅ができると、その周辺地域はアクセスがよくなるため、資産価値が上昇します。このあたりもチェックしておきましょう。
狙い目はココ!
ここまでは大まかな「エリア」の話をしましたが、実際に物件を決めるときは「千代田区の中のマンション」という情報だけでは決めることはできませんよね。千代田区の中でも、さらにエリアを限定して、絞り込んでいく必要があります。
「都心16区まで広げて考えてみる」という話を最初にしましたが、その中でも“狙い目”になる立地は、主要ターミナル駅へのアクセスが良いエリアです。渋谷、新宿、品川、池袋、東京などの駅にアクセスしやすければしやすいほど、不動産の価値は高くなると言ってよいでしょう。
また、他の“狙い目”の考え方として「住みたい街ランキング」を参考にする方法もあります。上位の街は居住のニーズが高いということなので、物件を探すうえでは1つのヒントになります。このとき、ピンポイントでその駅だけに絞るとあまりに限定的になるので、その駅を中心に周囲の駅も複数候補に入れてみるといいでしょう。
落とし穴に気をつける
最後に、物件探しの「落とし穴」を紹介します。これを知らずに「人気の立地で、主要ターミナル駅からも近いから、現物を見ずに即決」なんてしてしまうと、あとで後悔するかもしれません。
駅からの距離。理想は5分以内、難しければ10分以内を目安にしましょう。そして重要なのは距離だけではありません。道が坂なのか、平たんなのか、信号を利用する大きな通りがあるのか、歩道橋利用はあるのか。物件までの途中に暗い場所はないか、コンビニはあるかなどのチェックも必要です。実際に足を運ばなくてはわからないことも多いのです。
不動産投資をするオーナーは自分でその物件に住まなくても、家賃を払ってくれる居住者はそこで生活することになるので、生活者の視点をもって考えたいところです。
他にも、人気の立地の物件だけどマンションがボロボロで購入後すぐに多額の修繕費が必要だった、減価償却の経費を計上できる耐用年数が終了していて節税対策に失敗した、というケースもあります。
これまでのコラムを参考にして、最重要ポイントである「人気の立地」を抑えつつも、他のところでマイナスのない物件を探すようにしましょう。
まとめ
「駅から近い=立地がよい」とも言えないのが立地の難しいところです。実際に暮らしやすいか、そして将来性はどうかなど、チェックすべきポイントはたくさんあります。
人気のエリアかどうか、都市開発の可能性、駅からの距離、生活に便利な施設があるかなど、総合的に判断をして物件を選ぶようにしましょう。
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