不動産投資を行う場合、商店で品物を購入するように代金を支払えば、それで完了というわけにはいきません。
購入前にかかるイニシャルコストや購入後にかかるランニングコストなど、どんな費用がかかるのかを掘り下げてみました。
物件本体以外で初年度だけにかかる費用にはどんなものがあるのか?
不動産投資を行う際に必要な初期費用(イニシャルコスト)についてまとめました。
一つずつみていきましょう。
①印紙税・不動産取得税
売り主との間に売買契約の契約を取り交わす必要があります。
契約書に貼付する印紙の負担は買い主側となります。
印紙税は物件の売買価格によって変わります。
500万円超1,000万円以下の場合5,000円、1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円となります。
それを越えての契約の場合金額によって印紙税も高くなります。
不動産を取得した際に、不動産取得税として土地・家屋の評価額に対しそれぞれ4%の税金を都道府県へ納める必要があります。
②不動産手数料など
仲介手数料が発生する場合や、不動産会社への手数料が求められることがあります。
先述の印紙代などはこちらの請求時にまとめて求められることもあるようです。
一括での請求になることもあるため、分かりにくい場合がありますし、経費計上が可能になるため内訳は必ず貰い受けるようにしましょう。
③不動産投資ローン初期費用
多くの方は不動産投資資金を捻出するために不動産投資ローンを利用します。
その際には必要となる保証料や印紙税等も発生します。
銀行側の事務手数料に関しては現金支払いを求められます。
団体信用保険料や火災保険料は金利に含まれる場合がほとんどです。
金融機関によって異なりますが、ローン締結時には10万~20万ほどの現金が発生すると捉えておきましょう。
④不動産登記費用
不動産を購入した場合、土地・建物の名義を所有者のものに変更する必要があります。
法務局へ「不動産登記」に関する名義変更の申請を行います。登記を行う内容としては、表示登記や所有権移転登記または、建物所有権保存登記が挙げられます。
また、不動産投資ローンを申し込んだ際、当該物件に抵当権を設定した場合にも抵当権設定登記を行う必要があります。
法務局へ届け出する際に必要となる登録免許税は土地や建物の面積や価格にもよりますが、10万円程度かかるとみておきましょう。
登記申請に関しては、自身で行うこともできますが、必要書類が多岐にわたりますので司法書士に登記代行を依頼することがスマートです。
司法書士報酬として、20万円ほどかかります。
⑤保険料・警備契約など
火災保険料等は不動産投資ローン締結時に加入することがほとんどですが、投資物件の集客を高めるために警備会社とセキュリティ契約を結ぶこともあります。
こういった費用も初期投資として必要です。
また、自主管理を選ばない場合、管理会社との管理委託契約などの費用も発生します。
⑥リノベーション・リフォーム費用など
中古物件の場合、建物の価値を高めるためにリノベーションやリフォームを行うことが一般的です。
賃貸物件として出す前に間取りをがらりと変えるリノベーションや、水回り什器や壁紙を変えるリフォームなどで費用が発生します。
規模によって費用は大きく変動し、数10万~数100万程度の負担がかかります。
初年度以降にもかかってくるランニングコスト
ここからは、実際に賃貸経営を始めた際に定期的に発生する費用(ランニングコスト)に関してまとめました。
こちらも一つずつみていきましょう。
①修繕費積立金
購入当時は新築でも、経年劣化は切り離すことができない問題です。
自然災害や不慮の事故などで大規模改修が必要になることも念頭に置くことが大切です。
敷金を預かるだけではなく、賃料の数%ほどの費用を修繕費積立金として残しておく必要があります。
②税金各種
固定資産税と都市計画税は年に一度納付が義務付けられています。
地域や地価、建物の規模や評価額によって算定される税金は異なりますが、年4回ほどの分割納付が認められているのでその分の費用も家賃から捻出する必要があります。
③管理費等
管理委託をしている場合は管理料、警備会社との契約をしている場合はその警備委託料等が発生します。
共用スペースの水道光熱費やWi-Fi等の回線利用料といった費用も発生します。
不動産投資をするには、賃貸経営を始める準備段階から運用後に至るまで、たくさんの費用がかかります。
賃貸経営後にかかるランニングコストは入居者に還元するための費用でもありますので、きちんと支払いができるよう資金計画を念入りに行いましょう。
投資検討時には、このような費用がかかることも念頭に置いて物件探し~想定利回りを計算をすることも覚えておきましょう。