医師として高収入を得ていると、所得税や住民税の負担が大きくなりがちです。そこで、効果的に節税を行う手段の一つとして、不動産投資が注目されています。
不動産投資は賃貸収入を得るだけでなく、減価償却費などの経費計上により課税所得を減らすことができるため、税負担の軽減に役立ちます。
本記事では、医師が節税目的で不動産投資を行う際の具体的な流れを解説します。
目次
①目的を明確にする

まず、不動産投資を始める目的を明確にすることが重要です。節税以外にも、資産形成や将来の収入源確保、相続対策としての活用など、さまざまなメリットがあります。
主な目的の例
- 所得税・住民税の軽減
- 将来の安定収入の確保
- 退職後の資産形成
- 相続税対策
目的を明確にすることで、物件選びや投資戦略を考えやすくなります。
②不動産投資に関する情報収集を行う
次に、不動産投資に関する情報を集め、知識を深めましょう。医師として多忙な日々を送る中で、信頼できる情報源を活用することが効率的です。
情報収集の方法
- 不動産投資専門の書籍やセミナーへの参加
- 税理士や不動産コンサルタントへの相談
- 不動産会社が提供する資料や市場レポートの確認
特に節税を目的とする場合、減価償却の仕組みや税制改正の動向を把握することが重要です。
③内覧や現地調査を行う

投資対象の物件がある程度絞れたら、実際に現地を訪れて物件の状態を確認します。書面や数字だけではわからないポイントを把握し、リスクを最小限に抑えましょう。
確認すべきポイント
- 物件の築年数や構造、修繕履歴
- 周辺環境(交通アクセス、生活利便性)
- 賃貸需要の有無と空室率
現地調査を通じて、収益性や将来的な資産価値の見極めができます。
④買付申込書を提出する
購入したい物件が決まったら、売主に対して「買付申込書」を提出します。これは購入意思を示す重要な書類で、物件を押さえるために必要なステップです。
買付申込書に記載する内容
- 購入希望価格
- 手付金の額
- 引き渡し希望日
この段階では法的拘束力はありませんが、売主に対し本気度を示すため、迅速に対応しましょう。
⑤融資を申し込む

出典:RENOSYマガジン「不動産投資ローンの融資額と必要な年収は?年収別の金融機関も公開」
不動産投資を行う多くの医師は、金融機関からの融資を活用します。医師は社会的信用が高く、優遇条件での融資を受けやすいこともメリットです。
融資申込時に必要な書類
- 確定申告書(過去3年分)
- 物件概要書
- 身分証明書
複数の金融機関を比較し、金利や融資期間、返済条件を確認した上で融資を申し込みます。
⑥売買契約を結ぶ
融資の仮審査が通過したら、売買契約を締結します。契約時には手付金を支払い、契約内容を慎重に確認しましょう。
契約時の注意点
- 重要事項説明の内容確認
- 解約条件や違約金の確認
- 契約書への署名・押印
契約を結ぶことで、物件購入が正式に確定します。
⑦融資の本審査に進む
売買契約後、金融機関で融資の本審査が行われます。本審査では、物件価値や購入者の支払い能力が厳格に審査されます。
本審査通過のポイント
- 収支計画が明確であること
- 物件の担保価値が十分であること
問題なく審査が通過すれば、融資が実行されます。
⑧金銭消費賃借契約を結ぶ
本審査通過後、金融機関と「金銭消費賃借契約」を結びます。これは融資実行に必要な最終契約で、借入金の条件が確定します。
確認すべき契約内容
- 借入金額・金利
- 返済期間と毎月の返済額
- 繰上げ返済の可否
契約内容を十分に理解した上で、署名・押印を行います。
⑨決済・引き渡し・登記手続きを行う
契約が完了したら、物件の決済・引き渡し・登記を行います。これにより正式に不動産の所有者となります。
必要な手続き
- 残代金の支払い
- 所有権移転登記
- 火災保険の加入
司法書士に依頼することで、登記手続きをスムーズに進められます。
⑩確定申告を行う

不動産投資における節税には、確定申告が欠かせません。家賃収入から経費を差し引き、適切に申告しましょう。
計上できる主な経費
- 減価償却費
- 住宅ローンの利息
- 修繕費、管理費
税理士に依頼することで、適切な節税対策と申告漏れの防止が可能です。
医師の確定申告については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
まとめ
医師が節税目的で不動産投資を行う場合、各ステップを慎重に進めることが重要です。
特に、税務知識を深め、信頼できる専門家と連携することで、安定した資産形成と税負担の軽減が実現できます。