大きなリターン(賃貸収入)を得るためには、マンション丸ごと一棟のオーナーになることが近道ですが、マンション一棟のオーナーになる場合、注意しなくてはいけないポイントがあります。
ここではマンション経営に関して、所有区分の違いやそれぞれのメリット・デメリットについてまとめました。
目次
マンション経営における2つの考え方とは?
マンション経営を考えている場合、部屋の所有に対する2つのとらえ方があります。
早速みていきましょう。
①区分所有
マンション1棟の中の1戸~複数戸を所有するという考え方です。
②一棟所有
マンションそのものを丸ごと所有するという考え方です。
マンションに40世帯が入居できる場合、40世帯分の家賃収入を得ることができます。
区分所有のメリットやデメリット、考えられるリスクとは?
ここからは、区分所有について詳しく掘り下げていきます。
【メリット】
- 1戸~複数戸の所有になるため、投資金額が少なくて済む
- 1戸単位での所有だから、売却した時に買い手がつきやすい
- 修繕費などの経費も年間を通して大きな出費にはつながりにくい
【デメリット】
- 間取りに見合った購入金額でなければ、キャッシュフローが出ない可能性がある
- 購入費用が安く、収益性が高いため節税効果が生まれない可能性もある
【リスク】
- 家賃の未納問題などが考えられる
- 交通の利便性が悪い、商店・病院等が近隣に無いなど住みにくいところでは借り手がつかない
- マンション自体の老朽化により、部屋のリノベーションなどで価値を高めても、家賃を下げざるを得なくなる
一棟所有のメリットやデメリット、考えられるリスクとは?
一棟所有にもメリットやデメリット、リスクが存在します。
一つずつみてまいりましょう。
【メリット】
- マンション1棟の中の全戸を個人所有するため、すべてを賃貸にすると大きな収入が見込める
- 経営するための経費が大きくなるため、節税効果が生まれる
- 区分ごとの売却によって、売却益を見込める
- 外壁などの修繕によってマンションそのものの価値を高めることができる
- マンション全体の修繕などを定期的に行うことで部屋の価値も維持しやすくなる
【デメリット】
- 1棟分の土地・建物に莫大な投資費用がかかる
- 固定資産税など税金関連の支出が高くなる
- マンション全体の修繕・1戸の修繕などほぼ定期的に費用が発生する
- 火災保険などの保険料なども高額になる
【リスク】
- 立地や間取り・建物のグレードによって新築でも集客できない場合がある
- 空室が出れば、家賃収入は大幅減
- 想定利回りを事前に検討しなければ、キャッシュフローが出せない
- 運用中に大規模改修等が発生した場合、資金がなければ始まらない
- 一棟丸ごと売却を試みると、「中古マンション」となり買い手がつきにくくなる
- 自然災害や火事に対するリスク回避策を講じる必要がある
「投資」よりも「マンション経営」の意識を持つことが大事
このように、区分所有・1棟所有共にメリットばかりではないことが分かりました。
このところでは、マイナス金利政策によって金融機関側が融資申込者に対するハードルを下げ、積極的な融資を行っています。
そのためマンションの1棟購入など、多少無理な契約を強行する投資家も増えています。
しかしながら、今の日本は依然として不況の世の中です。都心の一等地に、家賃を高く設定できるハイエンド物件を購入したとしても、満室になる保証はありません。
ましてや、交通網・商業エリア・学校や官公庁などへのアクセスが悪い立地ならば、入居希望者がつかない可能性も考えられます。
財産を増やす意味での投資目的でマンション1棟買いは大きなリスクを背負うことになります。
ですが、経営目的でのマンション1棟買いは、利回りからみる数年間の収支計画や、周辺環境の成長予測などリサーチを重ねたうえでの決定となりうるので、確実に利益を挙げることができます。
マンションの1棟買いを考える際は、「不動産事業を立ち上げ、マンション経営を始める」という意識を持つことが大切です。
リスクを回避し「不動産経営をする」という意識を持って投資を始めるには、総合不動産会社が定期的に開催するセミナーに参加することや、不動産投資のパートナーとなる担当者から指南を受けることがポイントです。
次第に「買うべきマンション」の取捨選択ができるようになります。