医者として働きながら、年収10億円を稼ぐことは夢のように感じるかもしれません。
しかし、正しいキャリア戦略と賢明な選択をすれば、この目標も決して手の届かないものではありません。
この記事では、医者が生涯年収10億円を目指すために押さえるべき5つのポイントを具体的に解説していきます。
医者の年収比較
医者の年収は、勤務形態や診療科目、地域によって大きく異なります。ここでは、勤務医と開業医の年収、そして診療科目別の年収について解説します。
勤務医の年収
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、勤務医の平均年収は1,430万円です。
あくまで平均の生涯年収なため、勤務年数や役職、病院の規模によってはさらに年収が増えることもあります。しかし、勤務医は労働時間が長く、夜勤や休日出勤が発生することが多いため、労働に対しての報酬としては必ずしも高額と感じられないケースもあります。
出典:厚生労働省|令和5年度賃金構造基本統計調査(職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))
※医師・企業規模計(10人以上)の「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」を参考に算出
開業医の年収
開業医の平均年収は約2,244万円です。
厚生労働省が調査した「「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について」にもとづき、開業医の給料は勤務医の約1.7倍として計算しています。
開業医の年収は、勤務医よりも高くなることが多く、特に人気のある地域で、診療科目が需要の高いものであれば、さらに高い収入を得ることも可能です。ただし、開業には初期投資が必要であり、経営のリスクも伴います。
診療科目別の年収ランキング
診療科目によっても年収は大きく変わります。各診療科目の平均年収をランキング形式で紹介します。
診療科目 | 平均年収 |
脳神経外科 | 約1,480万円 |
産科・婦人科 | 約1,466万円 |
外科 | 約1,374万円 |
麻酔科 | 約1,335万円 |
整形外科 | 約1,289万円 |
呼吸・消化器・循環器 | 約1,267万円 |
精神科 | 約1,230万円 |
小児科 | 約1,220万円 |
救急科 | 約1,215万円 |
放射線科 | 約1,103万円 |
眼科・耳鼻・泌尿器・皮膚科 | 約1,078万円 |
脳神経外科と耳鼻科・皮膚科では約400万円も年収に差があります。基本的にはより高度な技術が必要になる場合に年収が高くなる傾向にあります。
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開業医なら生涯年収10億円も夢ではない
開業医として成功すれば、生涯年収で10億円を超えることも可能です。
自由診療を取り入れたり、診療科目を工夫することで、高収入が期待できる場合があります。
自由診療は保険診療に比べて診療単価が高く、特に美容外科や皮膚科では非常に高い利益率を誇ります。
さらに、開業医は経営者としての側面もあるため、収入を増やすための工夫次第で大きく利益を上げられます。
医者が生涯年収10億円を得る方法
医者が生涯年収10億円を得る方法として以下の5つを紹介します。なお、ここでご紹介する内容は、基本的に開業医が対象になります。
- 自由診療の実施
- 専門医資格の取得
- 副業や投資
自由診療の実施
自由診療は、保険適用外の診療であり、医師が自由に価格を設定できるため、高額な収入を得やすいです。
美容外科や矯正歯科などの分野では、保険診療に比べて大きな利益を生み出せます。
特に美容外科は、患者が自己負担で受ける治療が多く、診療単価が非常に高いため、年収を大幅に増加させることが可能です。
専門医資格の取得
専門医資格を取得することで、医師としての信頼性が高まり、より多くの患者を集められます。
特に、需要の高い専門分野の資格を持つ医師は、他の医師と比べて大幅に高い年収を得られる可能性が高くなります。
また、専門医資格の中でも、外科や整形外科、美容外科などは収入が高くなる傾向にあります。
副業や投資
医師は本業以外にも副業や投資を行うことで、収入源を増やすことが可能です。
例えば、医療系のコンサルティングや、執筆活動、講演などの副業を行う医師も多く、それにより本業以外の収入を得られます。
また、資産運用や不動産投資を行うことで、長期的に安定した副収入を得ることも可能です。
医者が生涯年収10億円を目指すリスク
医者が生涯年収10億円を目指すことは可能ですが、それにはいくつかのリスクが伴います。リスクを理解したうえで、自分にあった道を選択することをおすすめします。
経営の失敗
開業には初期費用として数千万円の設備投資が必要となり、さらに継続的な運営費もかかります。
患者数が安定しない場合や、競合クリニックが近隣に開業した場合などは、収入が予想よりも低くなる可能性があります。
また、医療機器のアップグレードやスタッフの雇用など、経営に必要な投資が続くため、収支バランスを維持するための経営力が求められます。
経営が順調でない場合、収入が減少し、借入金の返済が困難になるリスクもあります。
税金負担増額のリスク
高収入の医師には、税金負担の増大もリスクとなります。
累進課税制度の影響で、所得が多くなるほど税率が上がり、結果的に手取り収入は減少することがあります。高額所得者は各種控除の適用範囲が限られるため、節税対策を講じないと、税金の負担が重くなり、せっかく得た収入の多くが税金に消えてしまうリスクがあります。
また、開業医の場合、個人事業主としての所得税に加え、消費税や法人税(法人化した場合)など、複数の税金を負担しなければなりません。そのため、税理士や財務アドバイザーと連携し、しっかりとした税金対策を行うことが必要です。
まとめ
医師が生涯年収10億円を目指すためには、戦略的なキャリア構築が欠かせません。
開業したうえで、自由診療や専門医資格の取得、さらに副業や資産運用を取り入れながら、収入を多角化することで可能性が広がります。
また、節税対策をしっかりと行うことで、得た収入を効果的に運用し、最終的な生涯年収を増加させられます。
医師としての知識や技術だけでなく、経営や資産運用のスキルも活用することで、10億円を超える生涯年収も目指せるでしょう。