border_colorCOLUMNコラム

医師の過重労働と働き方改革

安倍政権が2016年に掲げた「一億総活躍社会」を実現するためにすすめられている「働き方改革」。これは医師の世界も例外ではなく、現在は厚生労働省により、医師の労働時間短縮や負担軽減などの議論が進められています。

「医師の働き方改革」は近年ホットな話題ですが、実際の現場を見てみると、働き方改革の成果を実感できることが少ない、というのが現実かもしれません。医師の不足や偏りがあり、過重労働を感じている人が多い状況がある今、医師の働く環境について考えてみます。

医師の過重労働の実態

日本では「労働基準法第32条」により、1週間の法定労働時間は40時間と決められています。では、実際に世の中が労働基準法の通りになっているかというと、そうではなく、「平成24年就業構造基本調査」を見ると、男性は全63職種中60職種、女性は全61職種中35職種、正規雇用者の半数超が週に43時間以上働いていることがわかります。

医師業界を見てみても、厚生労働省が発表した資料「医師の労働時間を取り巻く状況について」(平成29年12月22日発表)では、病院常勤の週当たり勤務時間60時間以上が診療科全体で40.6%、さらに診療科別に見ていくと、産婦人科53.3%、臨床研修医48.0%、救急科47.5%、外科系46.6%と、多くの医師が60時間以上の労働をしている状況があります。

労働基準法で定められているのにも関わらず、法定労働時間以上に働いている人が多数いる現状に対して、厚生労働省は罰則により強制力を高める「時間外労働の上限規制等」という案を検討していますが、この資料の「医師」の項目を見ると、「改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得ることが適当である」とあり、すぐに改正が行われるわけではないという現実があります。

過重労働になる背景

そもそも、医師の世界はなぜこんなにも過重労働になるのでしょうか? 前述の資料「医師の労働時間を取り巻く状況について」を見ると、医師の数自体も人口10万人対医師数(人口10万人に対して何人の医師がいるか)も、昭和57年以降、右肩上がりで増加を続けています。医師数は平成16年が27万人に対して28年は31.9万人、10万人対医師数も近年を切り取ると、平成22年:230.4人、24年:237.8人、26年:244.9人、28年:251.7人と確実に増えています。つまり、医師の数自体も、人口あたりに対する医師の数も、年々「増加」しているのです。それにも関わらず、過重労働が一向に減少していないのです。

その原因に目を向けてみると、例えば勤務医の場合は、診療時間の増加に加え、研究活動や学会発表、カルテ整理などの診療外時間、院内での待機時間などの当直時間の増加により長時間化している背景があります。

また、医師の数、10万人に対する医師数が増加していても、地域や診療科によって医師の数はバラバラのため、不足している地域の医師はどうしても過重労働になる、という実態もあるでしょう。

働き方を変える方法

現在は医師の数が増えている状況ですが、日本は高齢化、人口減少が急速に進んでいるため、今以上に医師の数が必要になることは明らかです。この過重労働になってしまっている医師の「働き方改革」を行うためには、先延ばしにされている医師の「時間外労働の上限規制等」の推進をはじめ、まずは何よりも政府、厚生労働省による抜本的改革が必要になります。

また、医師が地域に偏在している状況に対しては、資料「医師の労働時間を取り巻く状況について」において、「抜本的な地域偏在・診療科偏在対策を検討する」と明記され、今後、具体的な対応が進められていくと考えられます。
医師の現場レベルでは、当直の見直しを各病院で行う、個人では健康に害が出るレベルの労働環境では転職も検討するなど、国任せにするだけではなく、病院、個人で考え、行動をとることも必要かもしれません。

労働収益以外の収入の確保の大切さ(資産形成)

医師の給与は高水準ですが、そのぶん生活水準も高いことが多く、「入ってくるお金も、出ていくお金も多い」という人が少なくありません。しかし、いくら高給取りの医師であっても、万が一、大きなケガや大病をしてしまったら、今の給料のまま働き続けられるとは限らないものです。

だからこそ、労働収益以外の収入を確保して、資産形成をすることも大切なポイントです。勤務医の労働収益以外で収入を確保する方法は、講演、専門誌での執筆、または不動産、投資などさまざまなものがあります。もちろん、そこには利益だけでなくリスクが伴うこともあるので、始める際は事前によく調べる必要があります。

自分の子どもも医師にしたいと考えた場合、そのための学費は高額なものになります。勤務医だけの1本柱だけではなく、2本、3本と、他に収益を確保する方法を検討しておきたいですね。

まとめ

体を壊して倒れてしまってはライフプランに大きな影響を与えます。個人の意識で変えられる「当直体制の見直しの提案」や「転職」なども検討しましょう。あわせて、自分の身を守るとともに、資産形成なども真剣に考えてみてください。

無料税金対策セミナー情報

勤務医ドットコムでは、医師の方向けに無料セミナーを全国各地で開催しています。
効果的な節税の方法や相続、資産形成、副業など、収入の多い医師の方にとって有益な情報をお伝えしています。セミナーでは個別相談も実施していますので、あわせてご活用ください。
先着順となっておりますのでお早目にお申込みください。

無料税金対策セミナー一覧はこちら

ピックアップ記事

  1. 仮想通貨はやっぱりリスキー?不動産投資との比較
  2. この入居者、大丈夫かな……家賃滞納に潜む落とし穴
  3. 利回りはどうなるの?家賃の下落による不安を解消
  4. 家賃保証は魅力的だけど……サブリースに潜む落とし穴!?
  5. 株、FX、太陽光発電……メジャーな投資に潜むリスクとは?

関連記事

  1. コラム

    男性医師でも育休の取得は可能?

    女性対象の制度というイメージがある「育休」。子どもは男女のペアである両…

  2. コラム

    「子どもを医学の道へ進ませたい」医学部の費用を捻出する方法は?

    子どもを医学部に入れるためには学費をはじめ、多くの資金が必要になります…

  3. コラム

    【ワンルーム投資の視点で見る用語解説】不動産投資でかかる税金編

    不動産投資を行うにあたり、普段見慣れない専門的な用語を目にする機会が増…

  4. コラム

    【ワンルーム投資の視点でみる用語解説】新規賃料を求める鑑定評価手法編

    不動産投資を行うにあたり、普段見慣れない専門的な用語を目にする機会が増…

  5. コラム

    不動産投資における地震のリスクと地震保険

    日本で不動産投資を検討する際に気になるのは地震の問題ではないでしょうか…

現在から65歳まで働いた場合の
納税増額はいくら? 簡単・お手軽診断

年収(※1)

万円

年齢(※2)

  • 入力いただいた数値を65歳までの平均年収として算出します
  • 生涯納税額を知りたい場合は、本格的に給与が増えた年齢を入力してください

あなたの想定生涯納税額は

taxです

結果をクリア

  • この金額はあくまで目安の金額です
  • 「年収×税率×65歳までの残りの勤続年数」の計算式で算出しています
  • 年収が増加すると納税額も増加します
年収 税率(住民税10%を含む)
年収195万円以下 15%
年収195万円超~330万円以下 20%
年収330万円超~695万円以下 30%
年収695万円超~900万円以下 33%
年収900万円超~1,800万円以下 43%
年収1,800万円超~4,000万円以下 50%
年収4,000万円超 55%

SEMINAR

節税対策や多忙な方でもできる不動産投資のノウハウをご紹介する無料セミナーを全国各地で開催中です。
詳しく見る

NEW ENTRIES

  1. 医師だからこそおすすめな投資方法とは
  2. 高収入の医師も注意が必要! 高額所得者が投資に失敗する理由
  3. 資産形成は早めに始めるのが肝! 若いうちに知っておくべき投資…
  4. 多忙な医師が実践すべき簡単健康術
  5. 高収入の医師は退職金も多い? 勤務医の退職金事情
keyboard_arrow_up