本記事では、医師が非常勤やスポット（単発）でバイトするメリット・デメリットを紹介します。
バイトの時給や日給といった給料面も合わせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
医師のバイトの種類4つ
医師のバイトの種類を4つ紹介します。
定期非常勤
定期非常勤は、週に数日や月に数回など、定期的に勤務する働き方です。主な業務は外来診療や病棟管理、検査などで、勤務時間は半日から1日とさまざまです。
比較的安定した収入を得やすく、特定の曜日や時間帯で働けるため、ライフスタイルに合わせやすいメリットがあります。
また、病院やクリニックだけでなく、検診センターや介護施設などバイト先の選択肢も多く、専門医資格があれば高待遇も期待できます。
スポット（単発）
スポット勤務は、1日単位や数時間単位といった単発で働くスタイルです。外来診療、救急対応、健康診断などさまざまな業務を案件ごとに選べる自由度が特徴です。
急な欠員や特定日の人員増加が主な募集理由で、勤務場所も多岐にわたります。短期間で高収入を得られる可能性がありますが、収入の不安定さや柔軟な対応力が求められます。
当直
当直は、夜間や休日に患者や救急対応を行う勤務形態です。
当直の主な業務は、救急搬送されてきた患者の初期対応、入院患者の急変対応、カルテの記録などです。病院によっては、簡単な検査や処置を行う場合もあります。
夜間勤務のため体力的な負担がありますが、高報酬や臨床スキルの向上といったメリットがあります。不規則な勤務による疲労を避けるため、体調管理が重要です。
産業医
産業医は、企業や事業所で働く従業員の健康管理を行う医師のことです。具体的には、従業員の健康診断の結果をチェックし、健康相談や指導を行います。また、職場環境の改善や
感染症対策など、従業員の健康を守るための活動も行います。
勤務形態は非常勤や嘱託（一定期間の契約で働く方法）が多く、業務内容は企業規模や業種によって異なります。臨床医としての経験を活かしつつ予防医学に貢献できる魅力がありますが、労働法関連の知識も必要です。
医師がバイトする3つのメリット
医師がバイトする3つのメリットを紹介します。
①収入がアップする
医師がアルバイトをする最大のメリットの一つは収入がアップする点です。本業の給与に加えてアルバイト収入が得られることで、経済的な余裕が生まれます。
特に、当直やスポット勤務は高時給や高日給が設定されていることが多く、効率よく稼ぐことが可能です。
また、専門医資格や特定分野の経験を活かせば、高待遇の案件にも挑戦できます。収入がアップすることにより生活の質が向上し、将来の貯蓄も増やせるでしょう。
②柔軟な働き方ができる
医師のアルバイトは勤務時間や場所を選べるため、ライフスタイルに合わせて働くことが可能です。本業が忙しい時は週末や夜間のみ、余裕がある時期には集中して働くなど、自由なスケジュール調整が魅力です。
スポット勤務では都合の良い日だけを選んで働けるため、子育て中の医師や趣味を大切にしたい医師にも適しています。
また、様々な医療機関で働くことで新しい環境を経験し、視野を広げられます。
③経験やスキルを習得できる
アルバイトを通じて、様々な医療機関や診療科での経験が積め、スキルアップにつながります。普段の業務では経験できない疾患や治療法を学び、異なる診療科の医師やスタッフと連携することで新しい知識や技術を習得できます。
特に、当直や救急対応では緊急時の対応能力を高めることができ、産業医のアルバイトでは予防医学や労働衛生の知識を深めることが可能です。
こうした経験は医師としての成長につながり、本業にも役立つでしょう。
医師がバイトする3つのデメリット
医師がバイトする3つのデメリットを紹介します。
①体力的な負担が大きくなる
医師のアルバイトは収入やスキルの向上につながる一方で、体力的な負担が増える可能性があります。
本業に加えて勤務時間が延びるため、休息時間が不足しがちです。特に、当直や夜勤のアルバイトは不規則な勤務が多く、疲労や睡眠不足を引き起こしやすい点がデメリットです。
バイトによって疲労が蓄積すると、健康や仕事のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性もあります。医師がバイトをする際には、無理のない範囲で勤務し、十分な休息を確保することが重要です。
②スケジュール管理が大変になる
医師がアルバイトをする際、本業とのスケジュール調整が大変になる場合があります。特に、本業が忙しい時期や複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、ハードスケジュールにより休む時間が少なくなり、疲労が蓄積する恐れがあります。
さらに、急なシフト変更や呼び出しに対応しなければならない場合もあるため、無理のない範囲でスケジュールを組むことが大切です。
③確定申告が必要になる
医師がアルバイト収入を得る場合、確定申告が必要になるケースがあります。
アルバイト収入は給与所得または雑所得として扱われ、年間20万円を超える場合には申告が義務付けられています。申告を怠るとペナルティが発生する可能性があるため、注意が必要です。
正確な申告を行うためには、税務署の相談窓口や税理士のサポートを活用すると良いでしょう。
医師がバイトする際の時給・日給相場
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、バイト医師（非常勤医師）の平均時給は12,225円です。（参照：賃金構造基本統計調査令和２年以降 短時間労働者＿職種＿DB1 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口）
日給は1日5時間勤務の場合61,275円、8時間勤務したとすると97,800円となります。
当直やスポットのバイトであれば、さらに高収入が得られる可能性もあります。
医師のバイトを探す方法
医師のバイトを探す方法を3つ紹介します。
医師専門の求人サイト
医師専門の求人サイトは、全国各地の医療機関や企業が求人情報を掲載しており、希望に合ったアルバイトを効率よく探せます。
求人サイトは無料で利用できるので、複数のサイトを比較しそれぞれの特徴を把握して活用するのがおすすめです。
医療機関のWebサイト
医療機関のWebサイトでも独自のアルバイト情報が掲載されている場合があります。
特に興味のある医療機関や過去に勤務したことがある医療機関は、定期的にチェックすると良いでしょう。求人サイトに載らない情報や医療機関の雰囲気を確認できることがメリットです。
ただし、更新頻度が低い場合もあるため、気になる求人があれば直接問い合わせることを検討してください。
知人からの紹介
同僚や先輩医師、友人にバイトの求人を探していると伝えておくことで、情報が得られることがあります。
紹介者の経験談を参考に、勤務先の雰囲気や条件を事前に知ることができるのも大きなメリットです。
ただし、紹介されたアルバイトが必ずしも自分の希望条件に合うとは限りません。条件が合わない場合は、無理に受けず、紹介者に感謝の意を伝えた上で自分の考えを正直に伝えることが大切です。
医師のバイトや副業は禁止なことが多い？
医師がアルバイトや副業といった兼業を禁止されているかどうかは、勤務先の規定や医療機関の方針によります。
公立病院や公的病院など、公務員に準ずる立場の医師は、兼業が制限される場合があります。
一方、民間病院やクリニックに勤務する医師は、アルバイトや副業が認められていることが多いです。
ただし、勤務先の許可が必要な場合や、就業規則で兼業についてのルールが定められていることもあるため、事前に確認が必要です。
無許可でアルバイトや副業を行うと懲戒処分を受ける可能性があるため、トラブルを避けるためにも規定を確認し、許可を得ることを徹底しましょう。
まとめ
医師のアルバイトには、収入アップやスキル向上、柔軟な働き方など多くのメリットがありますが、体力的な負担やスケジュール管理、確定申告が必要といった注意点もあります。
アルバイトを始める際は、自分のライフスタイルや体力、スキルに合わせて無理のない範囲で働くことが大切です。
医師専門の求人サイト、医療機関のWebサイト、知人からの紹介など、さまざまな情報収集手段を活用し、自分に合った働き方を見つけましょう。
