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【現役医師連載コラム】医療脱毛の流行、価格はどこまで下がるか?

最近、医療脱毛がかなり浸透してきました。どこにいっても、10代の子も中年の方も、医療脱毛です。

やはり日本の「皆んながやっているのだから、自分もやらないと」みたいな、同調圧力ってありますよね。それがある意味、新しい業態への爆発的な需要を生んでいる部分は、あると思いました。

さて、そんな医療脱毛ですが、一体これからどうなるのでしょうか?まだまだブームは続く?医療脱毛の価格はこれからどうなる?どういうやり方でやっていくのが、クリニックとしては良いのか?

考えていく必要があるでしょう。

医療脱毛、集客は全国チェーンに強み

医療脱毛において重要な要素の1つは、集客です。

集客に関して言えば、やはり全国チェーンのクリニックが強いと言えるでしょう。最近だと

・エミナルクリニック
・レジーナクリニック
・アリシアクリニック

辺りでしょうか。

これらのクリニックは、全国チェーンである事から、大量の広告費を投入できるため、集客という点においては軍配が上がりそうです。

さらに言えば、以前「美容医療とSNSの、意外な関係」で申し上げたような、SNS上での信頼が蓄積していきますから、やはり長期的なマーケティング戦略において、個人のクリニックがチェーンの医療脱毛クリニックに勝つのは、難しくなるのではないでしょうか。

医療脱毛の価格と原価

医療脱毛の価格を決定する要素として、施術にかかる経費、つまり原価がかなり重要な位置を占める事になります。

医療脱毛にかかる原価の大きくは

・看護師の人件費
・機械、消耗品などの費用
・家賃などのランニングコスト

の3つです。

これらがどうなっていくのか、ある程度読み解く事で、医療脱毛の価格の推移について予測する事ができます。

まず1つめ、看護師の人件費。

看護師の人件費は、すなわち需要と供給の関係から決定します。2025年には日本の医療は需要のピークを迎えると考えており、2022年現在、まだピークへ登っている途中だと言えます。

人件費には強い粘性(動くまで時間がかかる)がありますから、現在の看護師の人件費の水準が2030年くらいまでは、維持される事が予想できます。

そこから先は、看護師という職業の需要そのものも減少していくと考えられますから、看護師の人件費は下がっていき、医療脱毛の価格の押し下げ要因になり得るでしょう。

2つめ、消耗品の費用。

これらに関しては、基本的には価格競争によって減少してくのが、資本主義です。したがって少しずつこちらも減少し、最終的には医療脱毛の価格押し下げ要因にはなるでしょう。

しかしながら、多くの医療脱毛の機械はほぼ外国製で、為替の影響などを受ける事は想像できますから、多少の波はあるでしょう。

3つめの、家賃などのランニングコスト。

これは考え方が難しいですが、人口減少をしている日本では、人口が維持されるエリアは希少です。

逆に言えば、医療脱毛のようなサービスはそのような立地に展開される事が多く、地方だとしても地方の中心地である事が多いでしょうから、ほぼ横ばいか微減程度に、止まるでしょう。

以上をまとめると、医療脱毛の原価は基本的には、あと10年くらいかけてゆっくり下がっていき、そこから先はガクンと下がる事が予想できます。

医療脱毛単体でやっていくのは、あと10年が関の山ではないでしょうか。それまでに新たな美容関連の需要を満たす、何かを提供できるかどうかが、これからの医療脱毛クリニックの生き残りには必要になりそうです。

医療脱毛の原価だけ下げる方法

さてそんな中で、手っ取り早く医療脱毛の原価だけサクッと下げて、売り上げは維持する事で、粗利が増える、という魔法のような方法があるのを、ご存知でしょうか?

それは、回転率と練度です。

看護師さんが施術をしますが、徐々に慣れてきて練度が上がっていきます。

施術の練度が上がると、短時間で高品質な医療脱毛サービスを提供する事ができるようになり、最初は2時間かかった施術が1時間になり、2倍のお客様の脱毛を捌ける様になります。

もうお分かりだと思います。施術者の練度が上がれば上がるほど、回転率が高くなり、同じ給料を看護師さんに支払っていても、さばくお客様の数が増えます。そうするとお客様1人あたりの脱毛の原価(人件費)が減るので、粗利が増えるわけです。

医療脱毛の練度が上がった看護師さんを、いかに育て、確保し続けるか。

これもこれからの医療脱毛において、重要な経営指標になる事でしょう。

やっぱりチェーンは人材育成にも強みあり

そういう意味でも、実はチェーン店はさらに有利です。

看護師さんの練度を高めるための、教育の体制を整えやすいからです。

既に練度の高い看護師さんも多く抱えているでしょうから、新人へ教育する事もできます。

予算的にも、教育に割く予算がたくさんある、というのはあるでしょう。

さらに、チェーンの強みは「練度が高まった看護師を上の仕事に引き上げやすい」という、キャリア形成における魅力を発揮できる事にもあります。

現場である程度の実績を積んだ看護師に対して、教育する側の立場、マネージャー的な立場を与える事で、ある意味でキャリアアップする事ができ、また違う仕事を体験できる。

こういったキャリアに魅力を感じ、最終的には採用がラクになってくるという可能性もあります。

やはりチェーンは、あらゆる面でも強みがあると言えるでしょう。
現役医師連載シリーズ


▼著者
大石龍之介
株式会社ブルーストレージ代表取締役。医師としてクリニックに勤務しながら、不動産投資家としても活動している。

URL:https://bluestorage.co.jp/

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