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激務=長時間労働とは限らない? 医師が激務と感じる要因

人はいつ何時、病に倒れるかわかりません。医師の仕事は時間を選べないため、長時間労働が当たり前の状況です。命を助けるという使命感から、どんなに激務であっても仕事を優先する医師が多いことでしょう。しかし、医師の仕事が激務という裏には、労働時間以外の要因が大きく関係しているのです。

今回は、医師が激務と感じる要因と、激務でもやりがいを感じる理由について解説します。

労働時間以外で激務と感じる要因

施設側の人手不足による負担の多さ、医療ミスによる責任や訴訟の可能性、家族などからうけるクレーム、緊急手術の多さなど、労働時間以外で激務と感じる要因は尽きません。

また、単純な労働時間だけでなく、仕事量の多さも激務となる要因です。臨床医における一般的な仕事内容は、以下のものが挙げられます。

・患者関連
診察、治療、薬の指示、検査、手術、術後管理、家族への説明など
・事務関連
カルテ作成、会議資料作成、論文作成など
・研究関連
学会出席、新しい症例や新薬の勉強など

患者さんへの対応から事務作業や勉強まで、医師の仕事量は実に膨大です。勤務時間も日々変動するうえに、当直やオンコールの呼び出しなど、休みの確保すらままならないのが実情です。

特に激務といわれる診療科目とは?

同じ医師の仕事でも、激務かどうかは診療科目で大きく異なります。そこで、特に激務といわれる診療科目は、以下が挙げられます。

■産婦人科
妊娠から出産、新生児、母体のケアを行う産婦人科医は、1度に2人の命を預かるという難しい仕事です。そのため、ほかの診療科目にはない、産婦人科ならではの激務になる要因がいくつかあります。

・出産は24時間体制で待機するので拘束時間が長い
・新生児のちょっとした異変でもクレームに発展することがある
・母子ともに危険な状態でも、正常に出産できるというイメージが強い
・出産は訴訟のリスクが高い

病気の治療とは異なるうえに、正常に生まれて当然という認識がクレームや訴訟のリスクにつながることがあります。出産はいつ起こるか予測できないため、産婦人科医は拘束時間が長くなることで、精神的にも肉体的にもきついと感じるようです。

■外科
外科は手術が多い、長時間の手術、責任の重さや訴訟の多さ、仕事量に見合わない給与など、外科医が激務といわれる要因は多岐に渡ります。

日本では手術の執刀と術後管理を主治医が行う習慣があるうえに、外来と入院患者の診察なども当たり前に行われています。学会への出席や臨床、日常のカンファレンスなど、治療以外の仕事もあり、外科医は限界以上の仕事が求められているのです。
また、勤務医の場合は仕事量に見合った給与が得られないことも多く、割に合わないと感じることも激務になる要因の1つでしょう。

■救急科
救急は24時間体制で患者を受け入れるため、夜勤や当直の回数が多くなります。当直回数は月に4.3回というデータがあり、最も激務といわれる産婦人科医に次ぐ多さです。

救急科医は一刻を争う患者に対応するため、瞬時に正確な判断をするというプレッシャーが常にあります。ほかには、専門外の症例でも対応しなければならない、次々と新患がやってくる、手を尽くしても救えない命が多い、訴訟リスクが高いなど、強いストレスを感じることも多いようです。

激務でもやりがいを感じる理由とは?

長時間労働や業務量の多さ、責任の重大さや訴訟のリスクのプレッシャーなど、激務の要因はさまざまです。辞めたいと思った経験があったとしても、辞める決断に至らない医師が多いのは、激務以上のやりがいを感じているからです。
そこで、医師ならではのやりがいは、以下のことが挙げられます。

・激務なりの収入が得られる
・患者さんが退院することの喜び
・難しい手術や治療が成功したときの達成感
・患者さんや家族からの感謝される
・命の尊さを実感できる
・自分自身の存在意義を感じられる

大変な仕事ということは確かですが、それ以上に命を救うことの素晴らしさをやりがいに感じているようです。辞めたいと思う気持ちよりもやりがいが大きく上回るのは、社会貢献度が高い医師ならではといえます。

また、「辞めたいと思っても辞めない」というケースが多いのは、そもそも医師の離職率が低いことが理由です。医学生の頃から激務という認識があるので、医師になる前の理想と現実とのギャップが少なくなるからです。医師という資格は一生ものであり、簡単には手放せないという思いがあらわれているのでしょう。

まとめ

医師が激務といわれる要因は、膨大な仕事量や昼夜問わずの処置、医療ミスによる訴訟のリスクなど多岐に渡ります。診療科目ごとに独自の要因も重なりあい、医師という仕事は気力体力ともにタフでいることが求められるといえます。

しかし、人の命を救うというやりがいは、医師にとって大きな原動力となります。収入面という現実的な要素もありますが、患者さんの回復や感謝の言葉など、気持ちの面でもやりがいを感じるようです。どんなに激務でも医師を辞められないのは、ほかの仕事にはない充足感や達成感、人の命を救ったという喜びがあるからなのでしょう。

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