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医師の転職事情 待遇を優先する?キャリアを優先する?

勤務負荷を軽くしたい。
もう少し年収を高くしたい。
キャリアプランを実現したい。
医師の転職にはさまざまな理由があります。

実際の転職にあたっては、待遇を優先するか、それともキャリアを優先するかなど、考慮すべき点がさまざまあります。
この記事では、医師の転職事情について多角的にご紹介していきます。

高収入といわれる医師の転職理由とは?

医師の転職理由の多くに共通している背景として、「現状の勤務負荷が重い」ということが挙げられます。
勤務医は、休日や早朝・深夜を問わないオンコールや緊急手術への対応が連続したり、当直が多いうえに、当直の前後に長時間の連続勤務があったりと、体力的に負担が大きい過酷な勤務状態であることが多いです。オンコールがあるために間接的に拘束され続け、さまざまな事務や管理業務に追われることも負荷が大きい原因となっています。

勤務負荷が重いことによって家族との時間がとりにくくなり、育児に参加しづらい、親の介護ができない、という状態になってしまいます。
また、激務のわりに収入が少ないことへの不満を感じたり、自身の心身の健康状態に悪影響が生じたりすることもあるでしょう。過度な勤務負担によって体調を崩したり、うつ病になったりすることもあり、最悪の場合、過労死や自殺につながってしまうケースもないわけではありません。

このような待遇面だけでなく、人間関係やキャリアの面が転職の原因となることもあります。

人間関係では、同僚や上司などとの関係がうまくいっていないことや、大学病院(医局)からの突然の人事異動辞令がストレスになること、厄介な患者の対応をしなければいけないことなどが挙げられます。
キャリア面では、自分の専門分野を極めていきたい、将来の開業に備えたい、自分の思い描いていた医療活動をしたい、といったことが挙げられます。現在の職場に不満というよりは、キャリアプランの実現のためという理由なので、比較的ポジティブな動機になります。実際の転職の面接においては、このような前向きなことを理由に挙げるとよいでしょう。

医師の転職回数

医師の転職といっても、「医師以外になる」という意味での転職はあまり多くありません。
あくまでも「組織を移る」というような意味で、これには大きく分けて大学病院(医局)を辞めるとき、民間病院などに移るときの2つが挙げられます。

まず、医局を辞めるというタイミングです。
大学病院の医局は、教授を頂点に准教授や講師、医局員などで構成されるピラミッド型の組織です。
昔ながらの硬直的な縦社会の人間関係や、医局から突然地方の病院への派遣辞令を受けることへのストレスに疲れ、医局を辞めて民間病院などへの転職を考える医師も少なくありません。退局する時期としては、さまざまな症例に触れる機会がある、指導教授がいる、最新設備が整っているなどの大学医局に在籍するメリットをある程度享受できたときが目安となります。

定年まで大学の医局から一度も出ることがない医師もいます。地方の大学の医局は医局員の数が少なく、派遣する医師を確保するために強く引き止められることが多いのが理由です。大学病院で働く医師は、一般に転職回数が少ないといわれています。

一方、民間病院や診療所は医師の動きが比較的活発です。
民間病院や診療所では患者数や診療科を担えるだけの人員数さえ確保すればよいので、辞めるといってもそれほど強い引き止めはないでしょう。そのため、医師の流動性が高くなる傾向があり、平均転職回数は3回から5回程度となっています。
ただし、医師の入れ替わりが頻繁なので人間関係の構築が難しく、短期間に転職を繰り返すと次第に採用されにくくなるので注意が必要です。

医師の転職での考慮点

転職にあたっては、キャリアプランや待遇などの希望条件を整理することが第一です。
大学の医局を辞めて民間の医療機関に転職するキャリアプランなら、どのような病院を希望するのか。急性期病院か慢性期病院か、都市部か地方か、離島や僻地なのか、などがあります。

もし開業の意思があるなら、大学病院や大規模病院で勤務医として働くよりも、中小規模の病院のほうが病院経営について学びやすいでしょう。
自分の専門分野を極めたい場合は、その専門分野の権威である医師が出席するような学会に参加して、直接アプローチしてみるのが効果的なようです。

待遇で気になるのは、主に勤務負担と年収ですが、業務内容に対する報酬の相場を調べ、自分のなかでの条件を固めておくとよいでしょう。多少年収が減っても勤務負担を減らしたい、という方もおられるかもしれません。

転職1度目から希望どおりの職場に転職できることもありますが、周辺の状況やご自身のキャリアプランとライフプランは時が経てば変化するものです。適当な時間間隔で定期的に、医師としての自分のキャリアの棚卸しとプランの修正をすることが大切です。

なお、臨床医以外の選択肢としては、基礎研究職、製薬会社・医療機器会社勤務、公衆衛生医師、産業医、生命保険社医、病院経営コンサルタントなどが考えられます。臨床医よりも収入は少なくなりがちですが、いずれも医師としての技能や経験を活かせる職種です。

転職の前後で年収が大きく変わることも

一般のビジネスマンの転職と同様、やはり医師の転職でも年収アップは重要な目的の一つでしょう。
子どもを医学部に通わせたい場合、多くの学費が必要になります。また、ご両親の介護費用も考慮しなければなりません。忙しさや責任に見合った年収を得られるところに行きたい、というのは転職の大きな理由でもありました。

医師の給与水準は、一般に経験年数を重ねるごとに上がっていきます。診療科目や勤務地域、病院種別などによる差はあるものの、卒後10年目あたりで1,000万円を超え始め、15年目あたりで1,500万円を超える、というのが一つの目安です。
高収入とされるのは、所得税率が変わる境目の1,800万円以上であることが多いようです。実際に1,800万円以上の年収を受け取っているのは、高い役職に就いていたり、診療科において大活躍していたりするなどの医師がほとんどです。

医師が年収を上げるためには、昇給・昇格に値するような実績を積み重ねていくことが大前提です。それによって市場価値が高まります。
また、報酬の高い民間病院に転職する、医師不足の地域に赴任する、診療報酬で優遇措置がある領域に取り組む、などの方法が考えられます。どの職場を選ぶかによって年収が数百万円単位で変わってくることもありますので、慎重に検討しましょう。

いずれにせよ、自分のキャリアを高めていけば、年収面を含めた好待遇の職場で働くことができる可能性も自然に高まります。
ご自身のキャリアプランやライフスタイルを考慮のうえ、常に現状より待遇が良くなるようなキャリアを追求していくことが大切です。

まとめ

医師の転職について見てきました。

実際に転職する際には、自分一人で転職先を探さなくても、知人などに紹介してもらったり、医師専門の転職エージェントに相談したりできます。
転職する際には、転職候補先の待遇や条件、その他「生の情報」をしっかり集めるようにしましょう。確実に現状よりも希望に近づける見込みがあることを確認しておくことが大事です。

転職はすべて希望どおりにできることは少ないので、どこかで譲歩・妥協しないと決まりにくいです。逆に、宿直やオンコール対応なしで高収入など、あまりに条件が良いときは、どこかに落とし穴があるかもしれませんので注意が必要です。
また、医師の世界は意外に狭く、学会などの場で元の職場の医師らと顔を合わせる機会も多いため、可能な限り円満退職を心掛けたいものです。

もちろん、「あえて転職をしない」ということも選択肢の一つです。転職はどうしても転職が必要な場合にのみ、という考え方もあります。

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