border_colorCOLUMNコラム

男性医師でも育休の取得は可能?

女性対象の制度というイメージがある「育休」。子どもは男女のペアである両親から生まれるのですから、男性が育休を取得してもおかしくないはずですよね? 昨今では、男性も育休を取得しやすくなりつつありますが、実際、医師の世界ではどのようになっているのでしょうか? そこで今回は男性医師の「育休」について解説します。

男性医師の育休取得の現状

育休とは「育児休業」のことで、「1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより、子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できる」という制度です。ただし、雇用された期間が1年未満、1年以内に雇用関係が終了する、週の所定労働日数が2日以内に該当する場合は、育休を取得することはできません。
これは厚生労働省が示す資料「あなたも取れる! 産休&育休」に記載された内容で、そこには「男女労働者」と明記されているため、男性医師も条件を満たせば育休を取得することは可能です。ちなみに、育休の期間中は、育児休業給付金(原則として休業開始時の賃金の50%)を受け取れて、さらに社会保険料が免除されます。
では実際に、男性医師の育休取得の現状を見てみましょう。日本医師会の「日本共同参画についての男性医師の意識調査」によれば、「育児休暇は取得していない」97.4%、そもそも取得について「考えたことがなかった」82.6%、育児の分担について「まだ足りないと思う」54.4%、「まったくしていないと思う」24.5%という結果になっています。
つまり、男性医師で育休を取得したのは、たったの2.6%。大半の男性医師は育休を取らずに、働き続けるという選択をしたことがわかります。

男性医師が育休を取得することに賛成の意見

男性医師が育休を取得することに対しては、「賛成」と「反対」、両方の意見があります。まずは賛成側の意見から見てみましょう。

育休を取得して現場に復帰した男性医師のAさんは「育休から復帰後に部下から相談される機会が増えた」と、そのメリットを話します。「小さな子どもには話してもわからないことが多々あるので、ルールやしつけを教育するのは本当に大変でした。でも、しっかり子どもと向き合って、ゆっくりと理解を進めようと根気よく努力すると、ちゃんとわかってくれるんです。この経験を経て現場に戻った僕は、部下とも以前に増してじっくりとコミュニケーションを取ることを心がけるようになりました。その結果、部下の方からも相談されることが多くなりましたね」。
同様に職場復帰した男性医師のBさんは「仕事の効率が上がった」と言います。「育休で家にいる間は、仕事から離れて、客観的に職場のことが見られるようになりました。育児は忙しい毎日なので、食事、風呂、寝かしつけと効率よく行うことが求められます。その観点から職場を見たときに、もっと効率よくできる部分があると気づいたんです。それを育休中に資料にまとめて職場復帰の際に発表しました。その結果、仕事の効率が上がったとみんなからも感謝されています」。

男性医師が育休を取得することに反対の意見

一方の反対意見も見てみましょう。
「職場は仕事をする場所で、医師は患者が待っているのだから、“家庭の事情”をもちこむことは男も女も許されないと思います。特に医師の仕事は高度なスキルが必要で、代替が難しい存在。どうしても家庭を優先したいのであれば、正規職員ではなく、アルバイトや臨時職員になるなどを考慮すべき」
「周囲にどのような影響を及ぼすかを考えてほしい。深夜休日勤務がある医師は1人抜ければ、それをまわりのメンバーがサポートしなければならないため、1人が育休をとれば同僚が疲弊します。女性医師が産休、育休で抜けてただでさえ忙しいのに、男性医師も育休を取られたらもっと大変になります。医師は患者に対する責任があるので、妊娠したから育休を取るというのはとんでもない話だと思います」

男性医師が育休を取得できる環境作り

賛成意見、反対意見のどちらもあり、「どちらが正しい、間違っている」という話ではありません。そこにはお互いの本音が出ているので、広い視点でみれば、そこに「解決のヒントが隠されている」とも考えられます。厚生労働省が示すように、育休は男女労働者に与えられた権利なので、取得しやすい環境を整えてあげれば問題は解決するはずです。
反対意見として挙がっていることは「周囲に迷惑がかかること」です。産休、育休の医師が出た場合に、素早く代替医師を用意する仕組みができあがればよいのですが、一朝一夕にそれは実現するものでもないでしょう。
そうなると、まず個人でできることは、自分のいる職場で話し合いの場をもつことです。「男性の育休取得についてどう考えるか」というテーマで話し合ってみたり、実際に育休を取得した医師を事例としてケーススタディをしたりして、自分の職場だったらどのような対応を取れるかと考えてみることもできます。
育休を取得しやすい環境が整わなければ、日本の少子高齢化の加速は止まらないでしょう。やれることからはじめてみることをおすすめします。

まとめ

男性医師が育休を取得できないのは、「人手不足」という医療現場の現状に起因しています。とはいえ、女性も第一線で働くことが当たり前になった現在では、子育てを女性だけに任せ続けることは健全とはいえません。個人、一病院単位ではなく、社会全体として男性医師が育休を取得できる環境作りをすることが重要です。

無料税金対策セミナー情報

勤務医ドットコムでは、医師の方向けに無料セミナーを全国各地で開催しています。
効果的な節税の方法や相続、資産形成、副業など、収入の多い医師の方にとって有益な情報をお伝えしています。セミナーでは個別相談も実施していますので、あわせてご活用ください。
先着順となっておりますのでお早目にお申込みください。

無料税金対策セミナー一覧はこちら

ピックアップ記事

  1. 新築物件で節税効果を狙う!30代勤務医Cさんの不動産投資事例
  2. 50代勤務医Bさん(年収2600万円)の不動産投資事例
  3. 融資は交渉できるの?融資交渉時の基本テクニック!
  4. 見せかけの入居者……高利回り物件に潜む落とし穴!?
  5. 【ワンルーム 投資の視点で見る用語解説】媒介契約編

関連記事

  1. 独立・開業する準備金、他の医師はどうやって集めている?

    コラム

    独立・開業する準備金、他の医師はどうやって集めている?

    医師にとって「独立・開業」とは、自身の目指す医療を実現するための大きな…

  2. コラム

    将来は医学部に? 今から始める子どものお受験

    開業医が考えることの一つに「跡継ぎ問題」があります。ゆくゆくは自分の子…

  3. コラム

    勤務医が節税するための方法

    総合病院などで働く勤務医は年収も高く、源泉徴収票をみると多額の所得税・…

  4. コラム

    女性医師が働き続けるためのヒント

    女性医師は、男性医師よりも、結婚や出産・育児によって“キャリアの中断”…

  5. なぜ、不動産投資を行う医師が多いのか?

    コラム

    なぜ、不動産投資を行う医師が多いのか?

    株、FX、太陽光発電など、投資手法はさまざまですが、医師にとって最も理…

  6. コラム

    【ワンルーム投資の視点で見る法律や条例】失火責任法

    不動産投資を行うにあたり、法律や条例の知識も必要となります。不動産…

現在から65歳まで働いた場合の
納税総額はいくら? 簡単・お手軽診断

年収(※1)

万円

年齢(※2)

  • 入力いただいた数値を65歳までの平均年収として算出します
  • 生涯納税額を知りたい場合は、本格的に給与が増えた年齢を入力してください

あなたの想定生涯納税額は

taxです

結果をクリア

  • この金額はあくまで目安の金額です
  • 「(年収-控除額)×税率×65歳までの残りの勤続年数」の計算式で算出しています
  • 年収が増加すると納税額も増加します
年収 税率(住民税10%を含む)
年収195万円以下 15%
年収195万円超~330万円以下 20%
年収330万円超~695万円以下 30%
年収695万円超~900万円以下 33%
年収900万円超~1,800万円以下 43%
年収1,800万円超~4,000万円以下 50%
年収4,000万円超 55%

SEMINAR

節税対策や多忙な方でもできる不動産投資のノウハウをご紹介する無料セミナーを全国各地で開催中です。
詳しく見る

NEW ENTRIES

  1. 知っておいて損はない、初めての海外不動産投資
  2. なぜ医師の資産形成には不動産投資が向いているのか?
  3. 開業を考える勤務医向け 「家族経営」の節税メリット 
  4. 勤務医をしながら社長に! 法人化で狙える節税効果
  5. 50代 整形外科 クリニック院長 年収2,700万円
keyboard_arrow_up